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派遣、恋に落ちる  作者: 竹子


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第59話 : stealth

後日、神城と翠は、「凛の合コンへの潜入と監視」という極秘作戦を決行すべく、放課後の教室で打ち合わせを始めた。

「どうやら、お姉ちゃんたちは『神翠酒場』というところに行くらしいわ」翠は、スマホの地図を見ながらそう言った。

その店名を聞いた神城は、ある重大な懸念を覚えた。

(居酒屋か…。酔っ払って判断が鈍ったところにつけ込む悪い男がいるかもしれねえ…。凛さんをそんな輩に近づかせるなんて、絶対に許せねえな)

神城がさらに強く燃え上がった。

神城と翠が真剣にメモを突き合わせていると、翠の友達である真紀と翔子がやってきた。

「あ、神城くんと翠!何してるの?」翔子がニコニコしながら尋ねた。

「神城くんと翠って、本当に仲がいいんだね〜」真紀も、うんうんと頷きながら言った。

神城は、即座に否定した。

「同じバイト先なだけだ。仲良いとかそういうんじゃねえよ!」

神城が言い終わるか否かのタイミングで、なぜか翠が神城のすねに鋭い蹴りを入れた。

(ぐっ!…久しぶりだな)

神城は、激痛に顔を歪ませながらも、なぜか懐かしい気持ちになった。

翠は、真紀と翔子に適当な返事をして、どこかへ行ってしまった。打ち合わせは完了していたので、神城も問題なく作戦決行の準備に入った。

(確か、18時に神翠駅か…)


当日、神城は神翠駅の改札前に着いた。時計を見ると、ちょうど18時を指していた。

すると、駅のロータリーの角に、凛と環奈と、見知らぬ美女(陽葵)が集合しているのが見えた。

「やばっ!もう集合してる!」

神城は、見つかる!と思った瞬間に、背後から誰かに力強く腕を引っ張られ、近くの死角へと連れて行かれた。

「神城!18時にお姉ちゃんたちが集合するから、その15分前に集合って言ったじゃん!」

怒りに震える翠の声だった。

「す、すまん。完全に忘れてた」神城は、頭を抱えた。

翠は少し不機嫌になりながらも、プロの探偵のように、電柱の影や自動販売機などを最大限に駆使し、見事なステルス技術で凛たちの尾行を開始した。神城は、ただただ翠の背中にしがみつく。

凛たちが目的地の『神翠酒場』に入っていくのを確認し、翠が合図を送る。

「行くわよ、神城!あんた、変な真似しないでね!」

二人は、堂々とお店のドアを開けて、中に入ろうとした。

しかし、店の入り口で、店のスタッフに行く手を阻まれた。

「申し訳ありませんが、お客様。当店は未成年の方の入店はお断りしております。」

「「あ......」」

神城と翠は高校の制服を着ていた。

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