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敗者列伝 ―光秀と三成―  作者: 斎宮 たまき/斎宮 環
第一部 明智光秀編
15/23

第十五話 煕子の死

 雪は、夜明け前から音のない手紙のように降っていた。庭の飛石の黒が、ひとつずつ消えていく。その白の増え方を、光秀は縁側から見つめていた。見ているしか、できることがなかった。


 奥から、衣擦れの気配がした。斎藤利三が、襖の陰に片膝をつき、静かに頭を下げる。


 「殿。郡役人より早駆けが。川筋の堰、一部が崩れましてございます。夜半のうちに水が走り、下手の畑にまで回っております」


 雪は、なおも降る。白は、たやすく重なり、形を変える。崩れた堰も、雪に覆われれば、ただの白い面だ。白は、罪を覆いもするし、道を消しもする。


 「誰を出した」


 「稲冨に目録を持たせましたが、人手が足りませぬ。鍛冶の源九郎、呉服屋の若旦那、丁稚の定吉まで、手伝いに向かわせました。兵は弥七の組から十。鐘は三つ、町へも触れ済み」


 光秀は、頷いた。頷くたびに、雪明かりが視界の片隅で揺れる。揺れは、心の内の何かと呼応していた。


 「行こう」


 「承知」


 出立の支度は、手が覚えている。兜は要らぬ。手袋の紐を締める。蓑を肩に。草鞋の緒、結び目を二度確かめる。指先の冷えが、紐の硬さを教える。


 引き戸を開けると、冬の匂いが鼻の奥に刺さった。水の匂いと、枯れ草の匂い。遠くで、鐘がひとつ鳴った。間をおいて、ひとつ、ひとつ、ひとつ。兵の鐘。町の鐘。耳は、もう合図を覚えている。


 庭先で、老女中のお琴が立ち尽くしていた。口を開きかけ、閉じ、また開く。言葉が、雪に凍っている。


 「どうした」


 お琴は、震える指で、奥を指した。奥、すなわち、煕子の臥す部屋の方角。


 「殿……。お方さまが……今朝より、熱が……」


 「いつから」


 「昨夜は静かに眠っておられましたが、明け方に……」


 利三が、光秀の横顔をうかがった。光秀は、ほんの僅かに顎を引いた。


 「堰が先だ。戻り次第、医師を」


 言っている間にも、白は積もる。決めれば、足は動く。動かねば、白はただの冷たさになる。


  ⸺


 堰は、冬の水を相手にしていた。割れた板が、氷の縁で薄く光る。男たちの息は白く、掛け声は短い。弥七が、鈴を外して腰に括り、泥の上で体を支える。源九郎の腕が、鉄の棒を振り下ろすたび、凍った縁が欠ける。定吉が、細い腕で縄を引き、丁稚らしくもない踏ん張りで、樋口を上へ引き上げる。稲冨は、濡れた紙束を懐に守りながら、目だけを忙しく走らせていた。


 「ここだ。ここから、締め直せ」


 光秀は、膝まで泥に浸かり、手袋越しに木口を抑えた。体の芯を、冷たいものが登ってくる。その冷たさを、腹の底で押し返す。押し返す間に、頭は別の場所を見ている。奥の部屋。煕子の枕辺。小さな呼吸。小さくなる呼吸。小さくなる、という言葉の形が、冬の空気と同じ形をしていた。


 「弥七、そちらの楔、半分抜けている。もう一度打ち込め」


 「は」


 弥七が、声を短く返す。短い声は、風の刃に負けない。利三は、どこに立っても、立っているだけで均衡を保つ。彼の沈黙は、力だ。光秀は、その静かさに背を預け、板の端に手を添える。


 鐘が、遠くで、ふたたび鳴った。一、そして三。町の鐘、兵の鐘。耳の印が、雪の中でも消えないのは、昨日決めた「節」のおかげだ。節は、竹を強くする。人も、政も、節がなければ折れる。


 堰の水は、しぶきを小さくした。水筋が、落ち着きを取り戻す。定吉が、額の汗と雪を同じ袖で拭った。源九郎が、鉄の棒を肩に担ぎ直した。稲冨が、紙束を持ち上げ、濡れていないことを確かめた。


 「戻る」


 光秀は、泥の足を引き抜いた。引き抜くたびに、重さと軽さが交互に訪れる。軽さの刹那、胸の奥で何かが沈んだ。沈んだまま、それはもう動かなかった。


  ⸺


 屋敷の門前に、雪が積み足されていた。掃き寄せた形跡がある。誰かが、何度も、掃き、また積もり直されている。白と黒の境目は、息のように、かすかにふくらみ、縮む。


 お琴が、表に出て待っていた。手の甲は赤く、指先は白い。言葉を探すその口元は、もう何度も同じ言葉を試した跡があった。


 「殿……」


 光秀は、頷いた。頷きながら、足は奥へ向いた。襖の前で一度だけ、呼吸を整える。襖の向こうの空気は、外よりも冷えているように感じられた。冷えは、静けさの形をしていた。


 煕子の枕辺に、灯がひとつ。灯心は短く、油は薄い。煕子は、細い線に変わっていた。頬の骨の形が、そのまま肌の形になり、指の節の数が、布越しに数えられる。唇は閉じ、まぶたは、砂のように軽い。胸は、動かない。


 光秀の脳裏に、雪の降る音が戻ってきた。音のない音。音を探すために耳を澄ますと、代わりに胸の内側が鳴る。鳴りは、短い。短いが、深い。深さは、穴の形をしていた。


 床縁に、ひとつのふみが置かれていた。薄い和紙。端がほんの少し、油で透けている。お琴が、両手でそれを捧げた。


 「お方さまが……」


 光秀は、受け取った。紙の軽さが、掌に、雪の軽さを思い出させる。封はしていない。折り目が柔らかい。開くと、墨は細い。細いが、迷いがない。起筆の場所と終筆の場所が、まっすぐに見合っている。


 『殿の理は必ず春を呼ぶ』


 それだけが、書かれていた。名も、日付もない。言葉は、短い。短さが、すべてを含んでいる。


 光秀は、文を胸に当てた。紙の冷たさが、衣を通して、肌にひんやりと触れる。触れたところから、何かが広がる。広がるものは、痛みだった。痛みは、白紙の上に広がる墨のように、境目なく延びた。止める術はなかった。


 利三が、襖の外で控え、息を潜めている。彼に向けるべき言葉は、見つからない。見つからない言葉の代わりに、光秀は、文を胸から離さなかった。離せば、何かが崩れそうだった。


 「……遅かったな」


 自分の声が、自分のものではないように聞こえた。利三は、間を置いて応えた。


 「堰は、持ちました」


 持った、という言い方が、かえって胸に降り積もった。堰が持ったのに、これは持たなかった。政の書は、墨で満ちていく。命じたこと、決めたこと、帳面と木札、鐘の数。白いところは、少しずつ減る。それでいて、心の書は、白紙のままだった。白紙は、痛みを吸い取る紙質をしている。吸いながら、破れない。破れないから、痛みはそこに留まり続ける。


 お琴が、ひたいを畳にこすりつけた。言葉にならない声が、畳の目に吸い込まれていく。吸い込まれていく声を、光秀は、聞いていた。聞くことしか、できない。


  ⸺


 葬の支度は、淡々と進んだ。了俊が、寺から早足で来た。袈裟の裾は雪で濡れ、裾から滴る水が、廊下に小さな点を打つ。点は、すぐに蒸発する。冬の家の乾きは、早い。


 「殿」


 了俊の声は、いつもより低い。低さは、空気を重くしない。重くしないのに、沈むべきところへ、自然に沈む。


 「読経を」


 「頼む」


 声は、自分の喉から出ているのに、どこか他人の喉を借りているような響きがあった。了俊は、煕子の枕辺に座し、珠を静かに繰った。珠と珠が触れる音は、雪の降る音と、よく似ていた。


 利三は、家人たちを短く動かし、余計な騒がしさを作らない。稲冨は、香の用意を指示しながら、帳面には何も書かなかった。書くべきことは、あるはずだった。あるが、書けば、何かを奪う気がした。帳面の白は、今日だけは、そのままでいた。


 お琴は、煕子の髪を梳いた。梳くたびに、櫛の歯が、節のような抵抗に触れる。触れるたび、お琴は息を止め、歯を戻し、別の角度から通す。通った髪は、冬の光にかすかに光った。光は、冷たかった。冷たい光は、静けさを増やした。


 香が焚かれ、薄い煙が、枕辺の上に上っていく。煙の筋は、まっすぐでも、ゆらぎでもあった。ゆらぎは、消えることの形だ。形は、目に見えるうちに目に焼き付く。焼き付けたものは、のちに痛む。それでも、人は焼き付ける。焼き付けなければ、空になってしまうからだ。


 「殿」


 利三が、文箱を抱えて来た。煕子の筆跡があるものを、選って持ってきたのだろう。文の束。短いもの、長いもの。墨の濃淡が、季節の気配のように違っている。光秀は、束の上に手を置いた。文の重さは、思い出の重さのように、手のひらに均等に乗った。


 束の腹から、一枚が滑り出た。表には、何も書かれていない。裏も白い。白い紙が、一番重く感じられた。重さは、目に見えない。見えない重さは、心の筋肉を使う。筋肉は、疲れる。疲れは、眠りを呼ぶ。眠りは、時に、残酷だ。


 了俊の声が、ひとつの節をつくった。節のところで、読経は、微かに弾む。弾みは、次の言葉を呼ぶ。呼ばれた言葉は、また節に達し、弾む。節、節、節。竹は、節で伸びる。人も、節で生きる。今日、この節は、永く記されるだろう。記されながら、心の中では、紙の白がひろがる。墨は、政の帳に濃くなり、心の帳には、何も書かれない。白紙は、隅から隅まで、静かに痛む。


  ⸺


 焼き場へ向かう道は、凍てていた。白の上に、黒い葬列が細く伸びる。風は弱い。弱さが、肌を刺した。刺すのは、風のせいではない。肌が薄くなっているのだ。薄くなっているところに、何もかもが触れる。触れれば、痛む。


 棺の上に、薄い布がかけられている。布の端が、歩みの揺れでわずかに揺れる。その揺れに、光秀は目を奪われていた。これと同じ布を、いつか煕子が、誰かのために縫っていた。冬の夜、囲炉裏ばたで、指先に小さな紙絆創膏を巻きながら、針を進めていた。針は、行きて戻り、戻っては行く。行きと戻りは、合わさって、縫い目になる。


 焼き場の火は、乾いた音を立てた。火は、いちいち説明をしない。燃えることが、そのまま答えだ。炎が、雪明かりを橙に変える。橙は、暖かい色をしているのに、見ていると寒くなる。寒さは、内から来る。


 光秀は、手を合わせた。掌の間に、はじめて涙が落ちた。落ちる音はない。ないのに、聞こえた。音のない音が、掌から腕へ、肩へ、そして胸へ戻ってくる。戻ってきた音は、文の短い言葉に触れて、消えた。


 『殿の理は必ず春を呼ぶ』


 春は、遠い言葉ではなかった。今朝、堰が持ち直し、鐘が一つと三つを教え、人々が手を出し合った。あれらは、春の端だった。端は、気づかれぬところにある。目印もない。だが、確かに、そこから季節は変わる。理は、端を見つける手だ。手は、寒くても出さねばならない。出された手は、いつか温かくなる。温かさは、誰かから渡される。渡す者がいなければ、理は、ただの線になる。線は、風に飛ぶ。


 「殿」


 利三が、灰の舞う中で頭を下げた。彼の頬にも、灰とも涙ともつかぬ筋がひとつ、走っている。


「堰の方、片が付きました。了俊さまより、鐘の時分け、町にも定まり申したと」



 「よい」


 言った自分の声が、少し戻っていた。戻っているのは、声か、それとも形だけのものか。いずれにせよ、戻ったものは、前に進める。進めるしかない。


 灰が、雪に落ちる。雪は、灰を飲み込み、白を保つ。白が、灰を抱き込み、別の白になる。白は、いつも同じように見えて、いつも少しずつ違う。


  ⸺


 その夜、光秀は、文箱を枕元に置いて座した。灯はひとつ。灯心を少しだけ切り、火を高くした。高くしすぎない。影が濃くなりすぎるからだ。影が濃いと、心がそこに落ちる。落ちぬように、灯は節度を持たねばならない。


 文を、ひとつ、ひとつ、抜いては戻す。煕子の筆跡は、季節によって変わる。春の墨は柔らかく、夏の墨は細く、秋の墨は深い。冬の墨は、薄いのに芯がある。芯のある薄さ。今夜、胸の中で広がる白紙も、薄いのに、芯があった。芯は、痛みそのものではない。痛みを受け止める、硬さだった。


 『殿。麦の苗、今年は騙されませぬように』


 『殿。お汁の塩は、少しだけ増やしてもよいかと』


 『殿。あの子が、笛を覚えました。音が転がって笑います』


 短い文が、短い息のように並ぶ。並ぶ息を追いかけると、遠い日常が、音を持って立ち上がる。台所の水音。洗い張りの布の重さ。庭の笹のささめき。笹は、竹の若い名だ。竹になれば、節ができる。節ができれば、伸びる。


 文箱の底に、もう一枚、白い紙が残っていた。白い紙に、光秀は筆を置いた。置いたまま、しばらく動けなかった。動けぬ間に、灯がひとつ小さく揺れ、影がほんのわずか、畳の目を長くした。


 『煕子へ』


 書き出して、筆先が止まる。止まった筆先に、墨が溜まり、紙に小さな黒い丸ができた。丸は、落ちた涙の形に似ていた。


 『そなたの言葉の通り、理は、春を呼びたい。呼ぶために、私は、冬の築きを怠らぬ』


 『鐘を分け、袋の口を少し開け、畦を直し、鉄に帳面を添える。そうしたことは、春の端だ。端で、私は、そなたの名を小さく唱える』


 『堰が持ち、田が持ち、町が持つ。持たせるために、私は、持たぬものを知る。持てぬものを、ちゃんと知る。煕子。私は、そなたを持てぬ。持てぬことを知り、なお、書く。書けば、少しだけ、痛みは白紙の上に均される』


 そこまで書いて、筆を置いた。置いた筆は、灯の傍らで細く影を作る。影は、手を伸ばせば届く。届いても、掴めない。掴めないものを、掴もうとして、手は強くなる。強さと硬さは似ているが、同じではない。硬さは折れやすく、強さは曲がりやすい。曲がるところが、節だ。


 襖の外で、足音がした。利三である。彼は、いつも足音を消すのに、今夜は、わずかに足の重さを残した。残した重さは、心づもりの印だ。


 「殿」


「何だ」



 「声箱に、紙がいくつか入っておりました。今夜も」


 「読む」


 利三が、紙束を差し出した。光秀は受け取り、ひとつを開いた。墨は、子どもの手だった。


 『鐘が三つのとき、父は米を買って帰る。母が笑う』


 次の紙は、兵の手だった。


 『夜の交代が短くなり、足が軽い。塩がうまい』


 次は、産婆のお初の手だ。


 『雪の日は、火の前で待つ時間が長い。兵の鈴の音が遠くで鳴ると、赤子は不思議と安まる』


 読みながら、胸の痛みが、形を変えるのを感じた。白紙の上にひろがっていた痛みは、透明な川の水のように、ゆっくりと流れはじめた。流れは、堰で受け止められ、畦へ染み、田へ戻る。戻る水は、春を呼ぶ。


 「利三」


 「は」


 「明日、鐘の合図の板を、寺と町にもう一枚ずつ掲げよ。子の手の高さのところにも。字のつくりを大きく」


 「承知」


 「それから、源九郎に、子の手用の小槌を二十作らせる。畦直しに、子も連れてよいと触れよ。触れの末尾には、産婆の名を添える」


 利三の目が、短く笑った。笑いは、礼に似ている。


 「殿」


 「何だ」


 「お方さまの文。『春』という字、これだけは、いちども形が変わりませなんだ」


 光秀は、文箱に視線を落とした。春という字は、たしかに、いつも同じ形をしている。上の三画の間合いと、下の「日」の抱き方が、いつも、煕子の手の癖の通りだった。形が変わらぬものを見ると、人は安心する。安心は、息を深くする。深い息は、冬の夜に要る。


 「そうか」


 光秀は、灯の火を少しだけ絞った。影が浅くなる。浅い影は、眠りを呼ぶ。眠りは、背中から来る。背中に、静かな重みが乗った。重みは、白紙に墨が最初の一点を置くときの重さに、よく似ていた。


  ⸺


 翌朝。雪はやんでいた。庭の白は、少しだけ青を帯び、竹の節が、凍みた空気の中で、かすかに鳴った。鳴りは、短い。短い鳴りは、昨日の節を確認する合図だ。


 鐘が、一つ、鳴った。間をおいて、ひとつ、ひとつ、ひとつ。耳は、合図を忘れない。忘れないことが、救いになる日がある。


 光秀は、文を胸に差しいれ、外套の紐を結んだ。利三が、脇に立ち、稲冨が、板と筆を抱え、弥七が、鈴を手にした。弥七は、鈴を腰に付け、また外した。外した鈴を握り、空にかざし、また付けた。彼の癖も、ひとつの節だ。


 門口で、お琴が深く頭を下げた。顔を上げたとき、目の縁は赤いのに、口元は、少しだけ緩んでいた。緩みは、決意に似ている。


 「行って参る」


 光秀の声は、冬の空気に吸い込まれ、竹の上でうすく返った。返った声は、心の白紙の上を、静かに滑った。滑りながら、紙の端に、かすかな跡を残した。跡は、点のように小さい。だが、点は、やがて線になる。線は、いつか、文字になる。文字は、春の端を書く。


 誰の声に従うべきか。問いは、まだ胸にある。あるが、今朝は、その上を歩ける気がした。歩けば、雪は、足の下で音を立てる。音の小ささが、今日という日の節度を教える。


 光秀は、門を出た。冬の道は、細く、まっすぐに続いていた。道の先に、鐘の響きがあった。人の声があった。白い息があった。


 政の書は、今日も墨で満ちていくだろう。心の書は、まだ白紙のままだ。だが、その白紙には、今朝、最初の薄い線が引かれたように思えた。煕子の短い言葉が、筆先の重さを教えたからだ。


 『殿の理は必ず春を呼ぶ』


 その一行を胸に、光秀は、雪明かりの道を踏み出した。節の上を、ひとつ、またひとつ。春へ向かう足取りは、冬の底にだけ、正しく響く。

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