番外編 ロイの前日譚
ロイがソラと合流する前の話です。
番外編ですので内容は少なくする予定でした。
もうすぐ小隊のメンバーであるソラが明日あの場所から出てこられるという話を本部で聞いたため、おそらく小隊としての任務がまた始まるだろう。
そのため魔導具を作っている友人の所へ行き任務の準備をする。
しかしその店は王都にあるためここ、リスベルからはかなり遠いため本部の車を借りようと思う。
無断使用は本来なら問題だが任務の準備のためなら問題はない。
車に乗り込み王都へと向かう。
1時間ほどかけて王都の前まで来た。
王都の周りは壁で囲まれており中に入るには検問所を通らなければならない。
対魔特化の所属カードは身分証明にもなるので渡せば1分で通れるのだが、王都ということもあり並んでいる人はとても多い。
つまり検問を受けるのに時間がかかるということだ。
〜40分後〜
やっと検問の前までたどり着いた。
「身分証明ができる物を出してください」
検問を行なっている人に言われ、対魔特化の所属カードを出す。
偽造している可能性があるためそのカードを取り実際に所属しているのかを本部のデータと照合して調べる必要がある。
なのでカードを渡し確認をしてもらう。
「問題ありません」
「どうぞお通りください」
そう言われて車を走らせる。
車を駐車場へ停めて友人がいる店へ向かう。
道は整備されており、周りは店がたくさん並んでいる。
裕福な身分の者が多いと思うかもしれないがそれは違う。
裏路地へ入ると服がボロボロで身なりも汚い子供が沢山いる。
そんな先を進んでいくと、ボロボロの店がある。
鍵を開けて中へ入ると相変わらずの汚さだ。
だが中には誰もいない。
なぜだろうと思っていると奥から足音が聞こえてきた。
「だれだ?」
「こんな時間に勝手に人の店に入ったのは」
奥から1人の少年の声が聞こえる。
どうやらさっきまで寝ていて今起きたらしい。
コイツの名前はハルカ。
この店の店主だ。
「お前まだ寝てたのか?」
「なんだ、ロイか」
「何の用だ?」
「今度任務に行くと思うから、戦闘とかで使う魔導具が欲しくてな」
「あと、ついでにこの魔導銃も強化とかして欲しくてきた」
俺の言ったことに何か問題があるような顔をしている。
「魔導具はある物を渡せばいいからさ大丈夫なんだけど、魔導銃の強化は時間がかかるからすぐには終わらないよ」
「そうか....なら魔導具だけ頼む」
任務がいつ始まるかがわからないため諦めることが正解だと思った。
そのため任務が終わった後に行くことにした。
「わかった、金貨2枚だよ」
「....!」
「高くないか?」
「いやいや、この魔力反応機器とか術式がめちゃくちゃ細かく見えるんだよ!」
「それに魔力探知範囲もでかいんだよ!」
「まぁ、ある程度高い上空の魔力反応は探知できないけど....」
「でも、値段なら安いと思うよ!」
めっちゃセールスマンみたいなことをやってくる。
魔導具の欠点言ってるからセールスマンとして失格だけど。
そもそもそんな細かく術式を見るときがあるとは思えない。
戦場では大量の魔族がたくさんの魔法を発動するため術式が重なって、解析も難しいため意味がない。
例えば数人の魔族が来たとかなら解析する意味はあるかもしれないがそんな状況が来るとは思えない。
ただここで買わないと本部からの旧式の魔導具を渡されるので、買うことにした。
「多分任務が終わったらまた来ると思うからそのときによろしくな」
「わかった」
そう言い王都を出て本部へと戻る。
すると案の定任務命令が出ていた。
「第3魔導原子炉防衛任務?」
内容は至って単純だった。
魔族が攻めてくる可能性があるため防衛してほしいというものだった。
任務は明日からのため強化はやらなくて正解だった。
普通一週間ぐらいには前もって連絡するのが普通だと思うのだが、やはり本部長が原因で連絡が遅くなったのだろう。
何はともかくとして明日ソラと1年ぶりに再会する。
明日の任務のことも考えて本部の自分の部屋で晩御飯を食べてすぐ寝ることにした。
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