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3話 原子炉からの通信

祝 PV83ありがとうございます!




ロイは原子炉へ車を走らせている。

しかしロイのあの言葉を聞いてからやはり怖い。

昔魔族の貴族と戦ったことがあるのだがとてつもなく強かった。

あの時は今の自分よりも弱かったから苦戦したというのもあるのかもしれないがそれでも強いことに変わりはない。


「ねぇ、あとどれぐらいで着くの?」


「あと1時間だ」


リンに聞かれロイが答える。

僕と違いリンもロイも怖がっている様子はない。


「そうなんだ」


リンの場合何も考えていないだけなのかもしれないが。


そんなことを考えていると通信魔導具が光った。

誰かが通信を送っているということだ。

ロイが車を運転しながらスピーカーをオンにする。


「こちら#@*/第47番小隊、#/&こちら47、番小隊応答#%#& できる者はいる、か?」


謎の爆発音がスピーカーから響き、たくさんの悲鳴が聞こえる。

ノイズも酷い。


「47番小隊は今回僕らと一緒に原子炉を防衛する小隊だよね?」


そうでないことを願いながら、あらかじめ配られている任務参加リストを見る。

するとそこには第47番小隊の文字があった。


「こちら第7番小隊、そちらの状況からは?」


ロイが通信魔導具のマイクに喋り返事を待つ。

しかしそれが来ることはなかった。


「一体何が....」


現場は一体どうなっているのだろうか。


「向こうに何か問題が発生したと考えていいな」


「危険だが速度を上げるぞ」


そう言い車の速度を上げる。


「もしかして魔族の貴族とかが来たんじゃ....」


リンにもやはりその考えはあるようだ。

接敵すれば死ぬ可能性もあるため接敵したくはない。


「憶測で物事を判断するな」


「何が起きたのかはわからないが急いで行くぞ」


ロイの言っていることは別に間違ってはいないが事故やただに魔族の兵士であんな悲鳴が聞こえるとはとても思えなかった。

色々な事を考えながら原子炉へ向かう。



僕たちが原子炉についた時にはもうすべてが終わっていた。

原子炉や辺りは燃えたくさんの隊員の死体が転がっている。


「これは一体どういうことなんだ....」


僕はこの光景に唖然としている。

そしてロイは何かに気づいたように死体に走る。


「これは、妙だな」


冷静にロイが言う。


「確かにこの惨劇は妙だけど..」


リンも驚いている様子だ。


「違う、そういうことじゃない」


「この死体、いくらなんでも焼けすぎじゃないか?黒焦げだぞ」


「それにここら一帯に大きな穴がいくつもあいている」


「事故とは考えられない」


ロイは冷静に状況を判断する。


「じゃあ魔族の兵がたくさん来たのか?」


事故だと信じたかったがやはりその可能性は低いのだろう。


「いや、かなりの人数できたなら対魔族特化諜報士が気づかないはずがない。」


確かにその通りだ。


「じゃあ、どうしてこうなったんだ?」


大勢の兵士が来たのでもなく、事故でもなく何故こうなったのだろうか。


「だから妙なんだ」


「考えられる可能性は、敵が少数でここにいた数千人の戦闘士を全員殺したというものだ」


それは普通に考えればあり得ない可能性だった。


「そんなことがありえるのか?」


「いや、普通なら考えられない」


「しかし魔族の貴族などが来たならすべてつながる」


確かに貴族などが来たのであればその可能性はあるのかもしれない。


「俺たちはあの通信が来てから30分後にここに着いた。」


「大規模な軍が来たなら、まだ現場の近くに残っているはずだ」


「人数が多いと移動に時間がかかるからな」


「しかしここは敵の姿はまったく見えない」



「さっき言った通り事故の可能性は低い」


「それに、魔法が使われた痕跡がある」


ロイはそう言って、魔力反応機器を人見せる。

そこには確かに魔力の痕跡が表示されていた。


「しかもだ、1つ1つの魔力の痕跡が大きすぎる」


「つまりとてつもないレベルの魔法が複数回発動しているわけだ」


「そして魔法の術式の形がほとんど同じだ」


「つまり同一人物が何回も特大魔法を発動しているわけだ」


術式とは魔法に使う回路のようなもの。

その回路が魔族はそれぞれ違くて、1人1人がそれぞれ固有(オリジナル)魔法をもっている。

だが親とや血縁者では同じ魔法や似た魔法になることもあるらしい。

この知識を利用して人族は、魔導エネルギーを術式のようにして、もう魔導機器を作っているわけだ。


「この事から考えて敵は少数精鋭でここにいた兵士を全員殺したということだと俺は思う」


納得できる根拠だった。


「なるほど、それならすべてつながるね」


リンも納得した様子だ。


「さて、急いでエルブンドに戻って報告するぞ」


ロイはそう言って、僕たちは車へ走って向った。



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