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私の彼女はあたしです  作者: 寄川優⾳
6/8

家に帰る?

学校での長い一日が終わり、ユイと私は家に帰ることにした。ユイを家に泊まらせるための口実を考えながら、歩いていた。まあ、彼女にとっては自分の家でもあるけど、別の世界の家だ。帰り道で、彼女と少し話すことができた。美しい女の子と二人きりで歩いていることを考えないようにしながら。

「ユイ、またごめんね。こんな誤解で君に迷惑をかけたくなかったんだ」

「君の行動は衝動的でバカだったわ…」

「本当にごめん」

「でも…それはこれから大変なことになるかもしれないけど、悪意でやったわけじゃないのはわかってるから、感謝するわ」

「うん…君がすごく居心地悪そうだったから…」

「まあ…結局、君は私なんだから、今回は正しかったと思う」

「そう言ってくれて嬉しいよ」


歩きながら、彼女の整った顔と金色の髪を見て、ずっと聞きたかったことを思い出した。

「ところで、ユイ、ずっと気になってたことがあるんだけど」

「ああ、何?」


彼女が答えると、私たちの目が合い、私はすぐに視線をそらした。

「その…その…髪の毛のことなんだけど…君の髪はブロンドで、僕の髪は黒いよね…その…生まれつきその色なの?それとも…」

「それとも、髪を染めたのかって?」

「そうそう!」

「まず、落ち着いて。異性と話すのは難しいのはわかるけど、深呼吸して。それで、そうだよ、私は髪を染めたんだ。本当の髪の色は君と同じ黒なんだけど、いろいろあって、結局染めることにしたの」

「それは…何か大変なことがあったんだね…髪を染めるなんて…」

「それは話したくないわ」


何があったのかはわからないけど、彼女にとっては相当なことだったんだろう。私の記憶では、そんな経験はない。もしかしたら、彼女の世界だけの出来事なのかもしれない。それが、彼女と私がこんなに違う理由なのかもしれない。

「さて、もうすぐ家に着くけど、お母さんに何て言うつもり?」

「実は考えてなかった…君が何か考えてくれると思ってた」

「あああ…」


ため息をつくと、彼女は真剣な顔で私を見つめた。でも、ごめん、僕は嘘をつくのが得意じゃないんだ。

「あ、わかった。思いついた。君の両親が海外旅行に行ってて、一人で家にいるのが不安だから、うちに数日泊まるって言おう。部屋を変えて…」

「絶対に嫌だ!」


私が話し終わる前に、彼女はそう言った。

「え?」

「君と一緒に寝るつもりはないわ」

「え?」

「聞こえたでしょ」


彼女の言い方と真っ赤な顔を見ると、真剣に受け取るべきかどうかわからない。

「いや、僕は…」

「私は確かに可愛いし、学校では『恋人』ってことになってるけど、家まで演じるつもりはないわ」

「ええっ?違うよ!僕は君に姉の部屋で寝てほしいって言ってたんだ。まあ、君の場合は兄の部屋だけど」

「でも、昨日はそこに寝たよ」

「いや、僕の妹の部屋じゃなくて、姉の部屋の話だよ」


そう、私は長男でも末っ子でもない。いわゆる中間子だ。現在、姉は結婚してもう別の街に住んでいる。母は姉の部屋をそのままにしている。いつか娘が戻ってくるかもしれないからだ。でも、もう2年以上経っている。それに、これでユイに服を用意できる。彼女は今着ている服しか持っていないから。

「姉がいるの?」

「ああ、君の世界にも兄がいるのかな?」

「いや、そうじゃなくて…私の世界にも姉がいるの」

「つまり、あいりはあいりのままなの?」

「そう、あいりはここと同じように女の子だよ」

「まあ、少なくとも私たちの宇宙には似たところがあるんだね」

「ところで、もう一つ疑問があるんだけど、君の世界には沢田はいるの?」

「ああ…」


彼女の顔に驚きの表情が浮かぶ。

「えっと、いるけど…あ、もう家に着いたね。歩いてたから気づかなかったけど、結構早く着いたわ」


どうやら、彼女の世界の沢田について話したくないようだ。でも、もう家に着いた。いつも通り、私は一番先に家に着く。父と母は仕事で遅くなるし、妹は祖母の家で1ヶ月過ごす予定だ。

「さて、ユイ、シャワーを浴びたいなら使っていいよ。僕は部屋に戻って機械の修理を続けるから」

「でも、盗み見しないでね」

「なんでそんなこと…」

「するでしょ、だって今朝のことをまだ忘れてないから、バカ」

「でも、もう許してくれたよね」

「そうだけど、ただ警告しておくわ。私たちは同じ人間だけど、私には君にはないものがあるから」


《彼女にも同じことが言える。僕には彼女にはないものがある》

「心配しないで、盗み見なんてしないよ」

「もししたら…絶対に…絶対に…殺すわよ!」


普段なら彼女の目を見ると緊張するけど、今回はどう説明すればいいのかわからない恐怖を感じた。

「し…しないよ…じゃあ、シャワーを浴びてきて」

「オッケー」


彼女がこんなに可愛い子から恐ろしい子に変わり、また普通に戻るのは本当に驚きだ。この能力は女性バージョンの私だけのものなのかな?


そして、私は部屋に戻り、ユイをここに連れてきた機械をチェックした。開けてみると、たくさんの抵抗や他の部品が焼けていた。修理には少なくとも1週間かかる。ユイが1週間ここにいることにイライラするかどうかわからない。これらの抵抗は簡単には焼けない。大きな電流が流れたはずだ。


《うーん、回路全体が焼けている。普通の電流ではこんなことは起こらない。これは…雷のような大きなものしか説明できない。あの日の大きな音もこれで説明がつく。雷が機械に落ちて、回路を焼き、あの大量の煙が出たんだ。もっと強い抵抗に交換しないといけない。でも、これで別の問題が生まれる。もし私の理論が正しければ、この機械は大きな電流がないと動かない。これは大きな問題だ。あ、そうだ、ユイに服を渡さないと》


姉の服を持って、シャワー室に向かって走った。

「ねえ、ユイ!」


ドアの向こうから叫ぶ。

「バカ、ここで何してるの?盗み見しようとしてるの?」

「いや…そうじゃない…服を持ってきたんだ」

「オッケー、そこに置いて行って」

「わかった…サイズが合うかわからないけど…多分君のサイズだと思う」

「大丈夫、試してみる。でも、早く行って!」


ドアの向こうに可愛い女の子がいると思うと、頭が真っ白になる。

「わかった、行くよ。部屋で待ってるから、大事な話があるんだ」


そして、私は部屋に戻り、バスルームのいい香りを思い出した。しばらくして、ユイがタオルで髪を包みながら部屋に入ってきた。姉の服は彼女によく似合っていた。

「その服…すごく似合ってるよ」

「ありがとう。あいりの服を着るのは初めてじゃないから、似合うのはわかってたわ」

「そうだね、その服は…」

「高校時代のものだよね」

「そうだよ」

「さて、何の話がしたかったの?」

「まず、君はどのくらいこっちの世界にいるつもり?」

「わからない、3日か4日かな」


マジでやばい、これは大きな問題だ。

「えっと…その…問題があるんだ…えへへ…」

「問題って?その笑いは何?」

「実は…えへへ…君はここに…えへへ…少なくとも15日はいることになるんだ…」

「そう、15日ね」

「そう…15日…えへへ…」

「15日…」

「…えへへ…」

「15日も!?」

やあ、私の小説を読んでくださって本当にありがとうございます。心から感謝しています。いつも皆さんのコメントやメッセージを楽しみにしています。読んでくださる方が一人でもいるだけで、私の一日が明るくなります。次の章は来週更新しますので、楽しみにしていてください。この章を楽しんでいただければ嬉しいです。

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