1. この女の子は誰?
「前回のプロローグを読んでくださった読者の皆さん、本当にありがとうございます。そして、この強制的なハイアタスについてお詫び申し上げます。これからは週ごとに章をアップするよう努めますので、この物語を楽しんでいただければ幸いです。」
この子が誰なのかわからないけど、月明かりに照らされた彼女の顔は輝いている。うわー、本当に可愛いな。正直、女性の前だとすごく緊張するんだけど、まあ、頭の中には疑問がたくさんある。彼女は誰で、どこから来たんだろう?こう考えていても何も解決しないから、直接聞いてみよう。なぜかこれ、どこかで見たような気がする…ゲームかドラマで見たような気がするんだよな。
「君が僕のサーヴァントか?」
「……」
《バカだな…可愛い女の子が部屋にいるのに、どうやってここに来たのか聞く代わりに、あのゲームのことを考えて変なこと言っちゃった。くそっ、女性と話すための沢田みたいな能力があればいいのに。まあ、もう一度やってみるか。》
「ご…ごめん、言い間違えた。俺の名前は何だっけ?」
「……」
《今聞いたバカなこと、言ってないと言ってくれ…》
「えへへ」
《どうした?彼女は静かに笑っているみたいだ。うわー、笑うともっと可愛いな。よし、今度の質問はうまくいくぞ。》
「ごめん、言い間違えた。君の名前は何?」
《やった!今度こそうまく言えた!》
「私の名前は岬誠です。」
「ああ、そうですか。素敵な名前ですね、岬ま…」
「なぜかその名前、前に聞いたことがある気がする。岬誠、岬まこ…」
「いや、なんだこれは…!?」
「君の名前は僕のとまったく同じだ。」
何が起こっているのかわからない。ただ、私の部屋にいる可愛い女の子が、私と同じ名前だということだけはわかる
「誠、晩ご飯の時間だよ。」
ああ、最高だ。ちょうど今、母が部屋に入ってきたところなのに、部屋には女の子がいる。
「分かったよ、母さん。」「はい、お母さん。」
《聞き間違いか?彼女は今、母のことを「お母さん」と呼んだのか?》
「……」
《部屋の中の沈黙が気になる。とても気になる。》
母は部屋から走り去りながら、大声で叫んだ。
「あなた、まことついに彼女を連れてきてくれたのね!しかも、結婚するみたいだし!」
《なんてこった…。今日ほど最悪な日はない。何が起こっているのかわからないけど、本当に変な状況だ。》
「お母さん、待って!!」
《しまった、まあ、この状況をはっきりさせないと。》
「ご、ごめん。両親とのことを片付けないと。」
《何を言っているんだ?自分でも何が起こっているのかわからないのに。》
そして、私は部屋から走り出した。
《これはまずい。両親に何て言えばいいのかわからない。》
「父さん、母さん、これは全部僕の…」
「やったー!!」
いったい何が起こったんだ?両親が突然大声で叫んだ。
「えっと、お母さん…」
「それで、付き合ってどのくらい?」
「えっ!…父さん」
「それで、もうキスしたの?」
「なに?!?」
《どうやら今は彼らと話が通じそうにない。》
「ご、ごめんなさい。」
甘い声が議論を遮った。
「あの、すみません。私の名前は山本美緒です。誠くんのクラスメートで、彼に数学の問題を教えてもらっています。誠くん、問題が終わったから、続けましょう。」
「クラスメート…」
「クラスの。」
《わあ、彼女は何の問題もなく状況を解決した。》
「ああ、残念。もう聞いちゃったね。彼女を手伝わないと。じゃあ、後でね。」
「くそっ、うちの息子は絶対に結婚しないだろう。」
《お父さん、私への信頼、ありがとう。》
「でも待って、さっき私のことを『お母さん』って呼んだよね?」
《しまった、確かに。でも私もその疑問があるんだけど。》
「それは謝ります。私の家族ではちょっと変わった習慣なんです。」
《わあ、ずるいな。》
「もう聞いたでしょう?じゃあ、行かないと。」
そして、彼女と一緒に部屋に上がった。頭の中にあるたくさんの疑問を解決したい。
「じゃあ、はっきりさせよう。君の名前は美咲誠だよね?」
彼女の目を見ないようにして、緊張しないようにしている。
「はい」
「それで、下にいる二人はあなたのご両親ですか?」
「はい、でもなぜか彼らは私のことを認識してくれないんです。」
「もし、君が現れる前に何が起こったか振り返ってみると、全ては僕がマシンを起動した直後に起こったんだ。だから、多分彼女が原因なんだろう。」
「なるほど、要するに全部君のせいだね。」
彼女の顔は怒っているように見える。ちょっと失敗したかも。
「そうみたいだけど、僕のマシンが君を連れてくるなんて変だよ。理論的には別の世界へのポータルを開くだけで、別の世界から人を連れてくるわけじゃないのに。」
《待てよ、別の世界から人を連れてくる?》
「ちょっと、触媒を確認させて。」
「触媒?」
「そうだよ、二つの世界をつなぐ物のことをそう呼ぶんだ。今回はこの古いマンガを使った。」
「えっ!そのマンガ持ってるの?!私、読んだことある!特に…の部分が好きだな。」
彼女の顔はマンガを見て喜んでいるように見えたが、すぐに緊張した表情に変わった。
「ご、ごめん。えっと、まだマンガ読んでるの?僕はもうずっと前にやめたから、もう読まないんだ。」
彼女は緊張しているようだ。本当の趣味を隠しているような気がする。
「ねえ、これは何?髪の毛みたいだ。うん、髪の毛だ。」
「髪の毛か、多分僕の…わかった!!」
「あああああ!!」
「ごめん、驚かせるつもりじゃなかったんだ。でも、何が起こったかもうわかったよ。」
「うん、大丈夫だよ。」
「そう、何が起こったかというと、マシンは別の世界へのポータルを開くはずだった。まあ、それが基本的な機能なんだけど、触媒に僕の髪の毛が入っていたから、マシンは別の世界へのポータルを開く代わりに、その髪の毛の持ち主を探して、この世界に連れてきちゃったんだ。」
「要するに?」
「要するに、マンガの世界の僕を連れてきたんだ。つまり、君は別の世界の僕だ。」
「—君の僕…」
「別の世界の!!!」