エピローグ 星空の下で
大探偵さんに誘われて、二人で『ぷらねたりうむ』という施設に行く事になった。
初めて見る星空に、胸を躍らせながら、ゆっくり歩みを進める。
施設の入り口に着く。生徒会の皆や芽久がいる。
「お前らだけで潮らしいぜ。僕も誘ってくれよな。あ、い、ぼ、う」
「そうだぞ。私くらい誘ってくれよ。緑川」
「ンー。自分も星空を一度は見てみたかったんだよね」
「優! 二人でデートとはお前も、大胆になったな!」
やれやれ。結局こうなるのは、何となく分かっていた。
入場料を払い、ドーム状の建物に入る。周りは真っ暗で、何も見えない。
開園のアナウンスと共に、光の粒が大量に見える。これが、星なのか。
あまりにも綺麗な光景に、心を打たれる。歓声をあげる皆をお構いなしに、星空を目を凝らして見物。
「ねえ緑川様」
大探偵さんの声だ。
「手を繋いでくださらない?」
俺は「いいですよ」と答えて、手を繋いだ。暖かい。
「わたくし、緑川様の事が好きですの」
「はは。知ってますよ」
「友達とかじゃなくて、その……」
左の頬に生暖かい感触。ただそれは、大探偵さんがいる逆の方向からだ。
その主は、葉山さん。
「いっただきー、大探偵の癖に遅いんだよー」
「なにをー! わたくしだって!」
右の頬に生暖かい感触。そして、もう一度左の頬に同じ感触が。両方の頬に、しかも二人からキスされていた。
流石に俺も、顔が熱くなった。
最高の幸せを味わった。それも、星空のしたで。
星空の下で Fin.




