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隠形吸血姫、クラス転移で勇者達の敵になる?〜いえ、戦力差が過ぎるので私は旅に出ます!〜  作者: 白ゐ眠子
第十二章・異なる世界の休息日。

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272/276

第272話 吸血姫は逃げられない。

一名だけ抜けがありました。

お詫びとして訂正致します。


 そうして数日の休暇を済ませた私達は、


「本日から本格始動よ。各班、所定の場所に着きなさい!」

「り、了解!」×93


 コロニー内の会議室にて眷属達に命令した。

 それは言葉にもある通り、最上層の掃除を行うからだ。地底世界では既に居なくなってしまった〈花摘みの君〉。その転生体を見つけ次第ではあるが戦いを吹っ掛けて転生魔術を行使させる事にあるのだ。簡単に私自らが殺してしまっては面白みが何も無いからね。


「主様、今から指揮室に詰めてきます」

「ほどほどでいいからね? 直ぐに出くわすとは限らないから。先ずは情報収集をお願いね」

「了解しました」


 ちなみに、各班員は以下である。


 第一班

 ───────────────────

 調理班:コウシ、レリィ、レイ

 監視班:サヤカ、ユーコ、ゴウ、コウ

 託児班:シオン、カオリ

 偵察班:シン、アキ、シンゴ

     マーヤ、ニーナ、マサキ

     マユミ、カナ、ソラ

     サラサ、ラディ、アオイ

     ルーナ、マイカ、ケン

     ケンゴ、ミズカ、マリー

 補給班:リンス、マルル、メルル

 ───────────────────


 先ず調理班はコロニーの食事及び偵察班へと補給するための食事を作る事にのみ専念する。

 これは異世界の食事にあたる事は無いだろうが、今回は経験値が得られない掃除でもあるため、食事に経験値を染み込ませて、食べながら全員をレベルアップさせる方法を採ったのだ。

 地底世界ではレベルの概念があるから即座に反映されるが、最上層ではそれが無いため、反映されたという感覚が得られないのよね。


(それは元の世界でも同じなのだが・・・)


 だから限定的に〈概念改良〉を行って私由来の不死属性を持つ者は経験値さえ得られたら即反映はされないが魂魄に付随する仮レベルに反映される事にしたのだ。この状態であちらの憑依体に宿ったら即座にナディ事案が始まるが。

 なお、先のナディが釣った巨大マグロも早々にコウシ達が解体して私達の食料となった。

 巨大マグロの良い所は⦅戴きました〜⦆母さんに持っていかれてしまったけれど。


 第二班

 ───────────────────

 調理班:ミーア、トウカ、モモコ

 監視班:ルー、アン、キョウ、クウ

 託児班:レーコ、ツヨシ

 偵察班:ナディ、ショウ、ニナ

     コノリ、ミキ、アコ

     ココ、アンコ、コウコ

     ルイ、コヨミ、シュウ

     レイキ、ウタハ、シロ

     セツ、シロウ、トウヤ

 補給班:アナ、アルル、エルル

 ───────────────────


 次いで監視班は、私やマキナが常時待機する総合監視室でのオペレーターが主任務である。

 それらは時間交代制であり、幼子持ちを優先してそちらにあてがった。託児班という名の子供の面倒を見る者達の中には大変暇そうなシオンを⦅暇じゃないわよ!?⦆含む。


 第三班

 ───────────────────

 調理班:アンディ、ミズキ、ラン

 監視班:ナギ、レン、リョウ、ミュウ

 託児班:アイミ、アユミ

 偵察班:リリナ、リリカ、ロナルド

     ワンコ、サエコ、クロコ

     シロコ、ルミナ、リュウ

     ソージ、フーコ、フユキ

     ハルミ、ナツミ、タツヤ

     タツト、クルル、サーヤ

 補給班:ユーマ、ナツ、サヤ

 ───────────────────


 偵察班は大型偵察機による上空人員、小船による海上人員、現地への潜入人員に分かれる。

 それらの割り当ては各班毎に変えてもらっているけどね。地上では臨機応変が必要だから。

 各潜入場所も、人族または亜人への〈変化(へんげ)〉が必須な人族領と魔族の容姿で行き来が可能な魔族領となる。

 但し、オーガは魔物扱いだから、元オーガ族に関してはどちらでも亜人の姿を必須とした。


(せめて鬼人族くらいは居て欲しかったわね)


 一応、人族でも良かったが、それはそれで面が割れると面倒という理由が存在するからだ。


(またもユインスの泣き叫びが聞こえる。そうなると、ミアンス達はまだ良い方ね・・・)


 どうも、この最上層では勇者召喚が頻発していて見知った者達と何らかの拍子に出くわす恐れがあるのだ。そこで会話の端々から元に戻れると干渉して来られてしまっては面倒だから。


(この国に出向く際には要注意ね。あとは魔族領、ニーユ魔王国と同じ地形で、大きすぎる大陸へと侵入している異世界勇者共にも注意と)


 そいつを殺して魂を拾って元世界で肉体を創らざるを得なくなる。そんな時間の無駄とも取れる事案に私の時間を割く必要はないのよね。

 名目上、第一から第三までの班分けとしているが、これも個々のスケジュール管理が関わっているからだ。

 時には交代して他の者が入る場合もある。

 例外は固定班としてコロニーにて控えるナギサとユウカとユウキだけだ。ナギサは指揮室に常時待機していて現地への戦闘指揮を行う。

 ユウカとユウキも交代でコロニーと元世界での仕事を行う。正直言えばあと一人必要と思えるのだけど、そこは⦅私が入るわよ⦆二人の雇用主が診療所に入ってくれる事になっている。

 ともあれ、そんな事情説明は置いといて、


「最上層の大陸は個々の国名だけが違うだけで、ほぼ地底世界と同じなんだね? お母様」

「そうね。例外は北極圏と小国連合のあった場所が無人島って事ね。そこ以外は何かしらの国が出来ていて、各国が対魔族という体裁で手を取り合っているみたい」


 私は管理神器と連携している惑星儀を総合監視室に設置しつつ各自の状況を拾っていく。

 そこには当然ながら補給班(リンス)達も待機していて隣で惑星儀をのほほんと眺めていた。

 調理班の弁当の段取りが終わらない事にはこの子達も地上には降りられないからね。


「こうやって惑星で見ると理解が出来ますね」

「ビックリするくらい魔族領が大きいね?」

「合国跡地というとあれだけど、こちらの国は割と善良みたいですね? カノンさん」

「そうね、ユーマの言うとおり善良みたい。地底と同じ迷宮国家な割に国王からして違うわ」

「隣の帝国も地底とは違うみたいだね?」

「その隣にある大きいのか小さいのか分からない国が問題国家でもあるのね。頻繁に勇者召喚するという魔族領からも、もっとも遠い国ね」

「で、その魔族領の中央に魔族、中程に亜人、外側に魔人が控えていると・・・」

「これだけ大きいと三十人態勢ではまかないきれないね? お母様?」

「そうね。現地に出向く者で、融通の利きそうな者に出向いてもらうのもありかもね・・・」


 一応、本日は初日ともあって最大数を割り当てているけどね。現地情報とか得ない事には何処にゴミが隠れているか判別がつかないから。

 衛星神器も今は打ち上げたばかりなので、問題児達の称号を鋭意⦅調査中だよ〜⦆迷宮神は自分の仕事して⦅は〜い⦆乗りが軽いわね。


「たちまちは各自が集めた情報を元に何処に向かえば良いか〈スマホ〉で指示して、私達は全面的にバックアップしましょうか」


 そうして私が当面の方針を打ち出すと監視室に居る全員は顔を見合わせて頷くが、補給班のユーマとアナが心配気に質問してきた。


「それはいいけどカノンさん達は地上に降りなくてもいいの? 地底では率先していたのに」

「うん。私もそれは思った」


 それを聞いた私は自身の椅子に座りながら苦笑しつつ答えた。


「降りたいのはやまやまなのよね、私も気になるし」

「それならお母様も降りたらいいじゃん」

「言ったでしょ、やまやまだって」


 私の苦笑の返答を受けてこの場に居る全員はきょとんとする。

 私はテーブル下に置いた冷蔵庫から一本の缶ビールを取り出してプシュッと開けたのち、


「実はね・・・プハッ! 先日に降りてはいるのよ。これを打ち上げる時にね」


 本音をぶちまける準備だけ行った。


「飲まないとやってられないって感じなの?」

「まさにそんな感じ。まぁ酒精は即座に還元されるから酔うことはないけどね・・・」


 そうして私は本音を全員にぶちまけた。

 実は北極圏に向かう間に嫌というほど拝まれたのだ。ユインスと共に居たからって事も要因なんだろうけど、自身の滲み出る神格がこの時ばかりは嫌って思ったわね。まぁ言葉にすると上品とは無縁の私の素が出ていたが。


「神が見える者が大多数って恐ろしい」

「隠形も希薄しても意味がない?」

「気づいて何処までも追ってくる?」

「憑依体に宿って隠していてもバレるって」

「ナギサさんが大量発生しているのかな?」

「ナギサさんが大量発生!?」×4

「声が大きいですよ。聞こえたらどうするんですか。気づいて顔を出さないから良いものの」

「あ、すみません。リンス様」×4


 補給班とマキナの驚愕にあるように降りたら最後、託宣が降りている地域まで追われたのだから困りものだろう。

 ユインスも「降臨された」って言われて辟易していたしね。「ただのエルフ族ですって」返しても神が降りてきただから信心過ぎるのも困りものである。

 打ち上げの直前までは、存在希薄魔術なる特殊な魔術を使って、何とか逃げ延びたけどね。

 この時の私はスキルに依存せず魔術を使った逃げ方が最適解と初めて知ったのだった。





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