第96話 召喚状
「………と、いうことがありまして?」
伯爵様の執務室。
私の報告を聞いて頭を抱える伯爵様とキャシー。
キャシー、貴方私と一緒にいたんだから頭抱かえないでくれるかな?犯人だって予想できたでしょうに。
「暗殺未遂の後処理はお任せいたします。主犯と実行犯は部屋ごと結界を張って閉じ込めてあります。共犯者も順次捕縛中です。」
スノーとネーロ、いい仕事してくれてます。
「………わかった。全員処分する。」
………意外だった。
実行犯はともかく、全員とは。
「よろしいのですか?」
「貴族家当主への暗殺未遂だ。本来なら一族全て処分対象だからな。本来なら私も連座するからな。」
「もう一つ報告がありまして………」
王宮での女王様への治療を伝えたら、伯爵様が溜息をつきながら一通の封書を手渡してきた。
「これは………?」
立派な封書に裏には封蝋。
や〜な、予感が………
「王宮からの手紙だ。封印は女王様の物だな。」
恐る恐る開けてみると、
「………召喚状ですね。可及すみやかに応じるようにと書いてありますね。」
「王族領の魔物の溢れは落ち着いたそうだ。」
「それは何よりです。」
「これから王宮に向かうぞ?」
「………今すぐ日本に帰って良いでしょうか?」




