第91話 帰還④
「全部って…………………………」
「そう、全部だよ?この子達の能力は、貴女も間近で見たわよね?」
スノーとネーロをモフりながら、『事実』としてキャシーに伝える。
「流石に実行前に『反撃』は出来ないから、自粛するけどさ。暗殺計画が実行されたら容赦はしないからね?」
ノース家に『反撃』した時の事を思い出したのだろう。キャシーは青い顔をして、俯いて、
「…………………………わかったわ、帰国のチャーター便手配するね。」
「…………………………チョット遅かったみたいだね。」
「えっ、どういう事…………………………」
「スノー、ネーロ、お願い!」
私が結界を張っても良かったんだけど、この子達に任せた方が確実だからね。
『実行犯』は、二流以下だったね。
ドアを破って手榴弾をいくつか投げ込んだだけで、結果を確認せずに逃げ去ったからね。
「あ〜あ、どうするのかな?この部屋。」
結界のおかげで衝撃も音も全く感じなかったけど、部屋の中は酷い有様だからね。
「スノー、実行犯確保と指示者を『閉じ込め』ておいてくれるかな?」
『ラジャ!』
「ネーロは、キャシーについて行ってくれるかな?キャシーはメイド長呼んで、部屋替えをお願いしてきて。着替えや小物も全滅したから、その手配もお願いしてきてくれるかな?」
「………………………………………この『状況』で、まだ此処に滞在するのかな?」
「勿論!伯爵様には悪いけど、『責任』とって貰わないとね?」
「………………………………………わかったわ。」
「あと、今後の状況によってはキャシーも日本へ行ったほうが良さそうだから考えておいてね?」




