第90話 帰還③
「『ラノベ』の魔法…………………………」
どれにしようかな?
『………………………………………五月?もしかして、派手な攻撃魔法考えてないよね?』
「………………………………………」
『ファイアーボールとかウインドカッターとか。』
「………………………………………」
『ここで撃つのはやめてね?最初から制御出来ないだろうからね?』
「………………………………………どうしてわかったのかな?」
『そりゃぁ、五月の使い魔ですから。』
「じゃぁさ、瞬間移動なんか出来るかな?日本まで。」
『出来るよ。五月が行ったことのある場所ならね。』
「よしっ、帰ろう今すぐ!」
『駄目だよ、出入国管理どうするのさ?』
あれ?使い魔の方が御主人様よりしっかりしてるなんて………………………………………
「………………………………………でも、飛行機乗れそうもないし?」
『今なら大丈夫だと思うよ!』
「どういう事かしら?」
『「王族関係者」はそれどころでは無いし、「伯爵様」関係者は去ってくれた方が都合がいいだろうからね。』
そんなもんかな?
『そういうわけだから、キャシーと相談してみたら?』
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「はぁ〜、やっぱりそうなるか〜。」
キャシーに日本へ帰ると告げた。
相談ではなく、決定として。
その返事が、これだった。
「だって、私が居る意味が無いもの。」
「っ!有るわよっ!」
「伯爵様にとってでしょう?私には無くなったわよね?
それに、この子達から物騒な報告が来てるからね。私の『暗殺計画』なんだけど、実行寸前だそうよ。」
膝の上のスノーとネーロを撫でながら話し続ける。
「もし実行されたら、例え未遂でも伯爵様のお立場が無くなると思うのよね。」
「……………………………………………」
「しかも、実行場所はこの部屋だそうよ?」
「………………………………………どこまで『暗殺計画』を掴んでいるのかな?」
「全部かな?」




