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第89話 帰還 ②

「えっ、『魔石』が貴重って、どうゆう事かな?」


『そのままの意味だよ。普通に魔物を倒したら、魔石ごと消失してしまうからね。』


「じゃぁ、どうやって手に入れたのかな?」


『チョットしたコツが有るんだ。簡単に言うと、魔物が「生きて」いるうちに魔石を取り出す事かな?』


「簡単そうに言ってるけど、出来るの?」


『普通は無理かな?「僕達」だから出来る事だね。』


「だよね~?そうじゃぁないと、貴族領そこら中に魔石が溢れるよね。」


『そうだね。それよりもこの魔石、有効に使ってね。』


「えっ、私に使えるの?どんな風に?」


『魔力の有る人が魔法を放出出来ないときに、触媒として使うことによって使えるようにするんだよ。』


「?チョット待って!意味がわからないわ。」


『一番わかり易く言うと、五月が魔法使いになれるっていうことかな?』


「………………………………………まっ、魔法使い?」


『そう、魔法使い。』


「私が使えるのは、魔法陣だけだよ?」


『五月、これだけの魔力を持ってて何を言ってるのかな?』


「『魔力』?なんの事かな??」


『………………………………………もしかして、自覚が無いとか言わないよね?今まであれだけのことをやっておいて。』


自信を持って言おう!真面目に無いんだけど、急に自信が無くなってきた。


「無い!と思う…………………………けど?」


『けど?』


「有れば、嬉しいかな?」


『だ〜か〜ら〜、有るんだってば〜!有るから僕達を召喚したり、魔法陣を自由自在に操れるんだからね。』


うっ、嬉しいかも?


「で、魔石を使って具体的に何が出来るのかな?」


『今まで五月が魔法陣を触媒として使っていた魔法全部と、「ラノベ」にあるような魔法のほとんどが実現できるんじゃぁないかな。』

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