第88話 帰還 ➀
『五月、一旦日本に帰ったほうがいいかな。』
「スノー、どゆこと?」
『王宮は統制が全く取れてないから、今のうちに脱出をお勧めするね。』
「…………………………そんなに酷いの?」
『うん、次期王位争いに夢中で王城内にも魔物がうろついてるけど対処されてないね。小物ばかりだけどね。
まあ、人間以上の魔物はいないと思える程酷いね。
敷地内は言わずもがな、もう一般従事者では対応出来ない程魔物で溢れてるね。』
「ん〜、わかった。王宮が無くなると困るから強そうな魔物だけ排除してから戻ってくれる?」
『ラジャ!』
「ネーロ、聞こえる?そっちはどうかな?」
『うん、上位貴族領は何処も魔物が跋扈してるね。今の所領内で抑えてるけど、溢れ出すのは時間の問題かな?少し数を減らしておこうか?』
「何もしないで戻ってきて。私達の『仕事』ではないからね。暗殺未遂されてまで助ける義理は無いからね。まさしく自業自得!」
『ラジャ!』
酷いね。
日本に戻るとして、どうやって帰ろうか?
民間機使うのもどうかと思うし。
まともにチケット取ると、また暗殺犯に狙われかねないからね。
悩んでいたら、おなかがすいてしまった。
部屋付きのメイドさんに軽食の用意をお願いする。
うっかりと『食事』をお願いすると、フルコースが準備されるからね。
『帰る』のは決定として、伯爵様とキャシーには何と話そうか。
単純に『身の危険を感じるから』とは言い辛いよね。
開店準備中の「猫カフェ」を放っておけないとでも言っておこうか。事実だしね。
『五月、ただいま〜!』
「スノー、おかえり〜!」
『これ、お土産!』
「…………………………何これ?」
キラキラ光る大小様々な石?宝石かな?
『さっき排除した魔物の「魔石」!』
…………………………有るんだ、やっぱり?
「私にくれるのかな?」
『どうぞ〜、普通に「退治」したんでは魔石は手に入らないから、この世界では貴重かな?』




