第87話 どうしようかな?
「スノー、ネーロ、お願い!魔物がどの程度抑えられているか知りたいの。調べてきてくれる?」
『『ラジャ!任せて!!』』
今回は、二人の使い魔に活躍してもらおう。
王宮や王族領、他の貴族領でどれぐらいの被害が出ているかで私の動きが変わりそうだから。
とは言っても、私は魔法使いでは無いからね?
直接手を出す訳では無いし。
中止になりそうな謁見がどうなるか決まったら一度日本に帰ろう。
正式に爵位を授与されないのなら、ここにいる意味が無いしね。
婚約が決まったとはいえ、この事態ではどうなるかわからないからね?
特に、リチャード様が『リハビリの甲斐があって』歩けるようになっただけでなく、以前より力強く格好良くなったことが知れ渡ってから私をあからさまに排除しようとする勢力が内外問わず現れたから。
本人も、満更でもない様子だと伝わって来てるし。
恩知らずとは、正にこの事だね。
現状、味方は伯爵様だけのようだし。
未だ見ぬ伯爵家家族のほとんどが私を嫌っていると。
人種差別って、ホントに嫌だね。
部屋付きのメイドさん情報によると、伯爵家内でも、もっと条件の良い縁談があるのではとの意見が出ているとか。
本来、メイドさんがこんな事を私に漏らすのは不味いのだろうけど、邸内の使用人の総意として伝えてくれたんだ。私の味方をしてくれると。
とは言っても、味方とはいっても、守ってくれる力があるわけではないしね。
情報を貰えるだけでも十分有り難くはあるけどね。
そうなると、私は今、無理にここに留まる必要は無いんだよね。
むしろ、留まるのは身の危険を感じるからね。
私の暗殺未遂犯も、まだ確保出来てないし。
これで刺客が伯爵家内からだったら、それはそれで恐ろしい事だからね。
状況的に、あり得るから。
こんな事は、キャシーにも話せないしね。
さあ、どうしようかな?
まあ、使い魔たちの報告を聞いてから決めようか。




