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第85話 メイド長アンの憂鬱 ⑥

大荒れの屋敷中をメアリーと補修してまわり、途中で討ち漏らしていた小物の『魔物』達を排除し、粗方終わったところで報告のために執事長室に向かっていました。


今回の『魔物』の襲撃で、伯爵家付きの騎士達が『役立たず』だったことも報告しないといけませんから、幹部達は今頃頭を抱えていることでしょう。

屋敷内に潜んだ小物の『魔物』さえ排除できていないのですから。

最近は、対人も含めて実戦がありませんでしたからね。

私ですら、『実戦経験』があるというのに最近の若い男達ときたら………………

まあ、私も対魔物は初めてでしたけどね。


「え〜っ?私も行くんですか〜!勘弁してください〜?」


疲れ切った表情のメアリーですが、今回の異変の『原因』が彼女ですからね。

連れて行かないわけにはいきません。


それに『実戦経験』を積めた彼女は、私の後継者に相応しいでしょう?

私が指示しなくても、自分の判断で小物を排除出来ていましたからね。

更に、大物こそ私が倒しましたが、男連中が手こずった中級以上の『魔物』を一撃で倒していたのですから。


執事長室のドアをノックして、返事も待たずに開けました。


「これはどういう事でしょうか、執事長様?」


傍らには、ミーア様とその側にはビャッコ様。


「すまない、今回の事変の原因追求は後にさせてもらう。」


「そんな戯言が通るとお思いですか?メアリーがいなければ屋敷は壊滅して私達は全滅していてもおかしくなかったのですよ!貴方と訓練場長までいて魔物に蹂躙されるなんてどういう事ですか?」


「……………これは、まだ公になっていないから内密に願いたいのだが、」


「何でしょうか?」


「……………女王様が倒れられて後継者争いが起きていて、そのせいで魔物の活動が活発化しているようだ。」


「「はぁあぁ〜つっ?」」


私とメアリーの声が揃ってしまいました。


「それは一大事です!」

「なんで女王様の後継者争いと魔物が関係あるんですか!」


今度は声が揃いませんでした

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