第75話 ミーアと使い魔
「気がつきましたか?」
モゾモゾと動き出したビャッコ様。
パチパチとまばたきして、暫し見つめ合う。
『………此処は?どうして?どうなったのか………って、あ〜っ!』
私の膝の上でジタバタするビャッコ様。
『っで、腕!ミーアの左手つ!』
わざとらしく、目の前で左手をヒラヒラさせてみる。
勿論、その間も右手でモフる。
『何で?どうして!』
「へっへ〜?また生えてきました〜!いいでしょう〜!羨ましい〜っ?」
『………………………』
「約束、覚えてますか?」
『………………………』
「貴方を倒したら、実体を教えてもらえるんでしたよね?」
『…………御免なさい!僕はいわゆる分身なんだ!僕の実体は伯爵家のとある場所の地下深くに、訳あって眠ってるんだ。だから、御免なさい?』
「見せてもらえないってことですか?」
『うん?』
「残念!」
『えっ、許して貰えるの?』
「おネムの狐様?を無理に起こすのは可哀想だし、代わりにビャッコ様に何かしてもらおうかな〜?」
『…………お手柔らかにお願いします?』
「私の使い魔にならない?どう?」
『僕はこの伯爵領を離れられないから、分身でいい?』
軽く尻尾を振るビャッコ様。
「えっ?」
ビャッコ様をモフっていたはずが、膝の上には赤毛の子狐。
目の前には、いつの間にかビャッコ様。
『僕の分身!名前を付けてくれる




