第74話 戦力 ⑥
私の膝の上で気を失って伸びているビャッコ様。
電撃仕掛けて、思いっ切り地べたに叩きつけたからな〜。
当分復活しないかな?
手持ち無沙汰になって、ブラシを持ち出してモフモフ感を楽しむ。
いつの間にか、訓練場に女性陣の嬌声が。
誰かが今ならビャッコ様をモフレると伝えてまわったらしい。
結果、屋敷勤めの女性陣全員が来たようだ。
並んで一人づつ、モフった後にブラッシング。
良いようにイジられてるビャッコ様。
良いのかな?こんなんで。
後で怒られないかな?
この事が重要な意味を持っていたことを後で思い知るのだが、それはまた別のお話で。
中々起きないビャッコ様にしびれを切らした私。
「お腹空いたから、ビャッコ様連れて帰りますね?」
勿論、誰も反対など出来ません。
最強だったビャッコ様を倒した私。
つまり、わたしが最強!
誰も文句など言えませんよね?
食堂でランチボックスを作ってもらい受け取り、自室に戻り食べ始める。
サンドイッチを左手で掴んだところで、
「そういえば、さっき切り落とされたんだよね?なんともないね。」
自由に動くどころではなく、切り落とされる前よりも力強くなっている。
それどころか、繊細な動きも出来そうだ。
何が変わったのかまだ良く分からないけど、ビャッコ様が起きたら聞いて確かめてみよう。




