第64話 退院
女神様、いつ会えるかな?
今日で退院。
病室の洗面台の鏡に映る私。
幼い頃の面影は有るものの、別人と言ってもいい私が居た。
ベッド脇のテーブルには、退院のお祝いなのか、豪華な朝食。
サイドテーブルには、着替えの制服が。
メイド服やお仕着せではなく、執事服のような?
退院したら、おシゴト、何をするんだろうか?
食後、担当医と病院長が来て最後の診察。
「昨日の血液検査も問題ないので、今日退院です。後程、執事長が迎えにいらっしゃるので着替えてお待ち下さい。」
何で執事長が?
入院の原因がアレだからかな?
これからの私のお仕事に関係するのかな?
着替えて待つこと暫し、執事長が入っていらっしゃった。
「先ずは、退院おめでとう。移動しながら説明するから、行こうか。」
気さくに話しかけて頂く。
あ〜、緊張するな?
お迎えのワゴン車の後席に対面で腰掛ける。
「これからの事だがミーアには暫くの間、秘書としての修行をしてもらう。」
「秘書?ですか?どなたのでしょうか?」
「まあ、修行次第だがな?成績が良ければ、五月様の元へ送ることになるだろう。」
やった!
女神様の元へ!
屋敷に着いて、執事長の執務室へ。
「長くなるから、掛けたまえ。」
ソファーを勧められて、メイド様が淹れてくれた紅茶を一口。
「君を伯爵家で雇い入れた理由から説明しよう。」
不思議だったんだよね?
私なんかが伯爵家で働けるなんてさ。
その理由?




