第61話 婚約③
「伯爵様、五月、そろそろです。」
キャシーから告げられる。
「この後の予定ですが、リチャード様との顔合わせの後、簡単ですか食事会となります。皆様用意が整わなかったので、私達だけとなります。」
意外だった。
私、嫌われてるのかな?
「五月、余分な事考えたでしょ!心配無いわ、皆忙しいだけだから。」
なんで考えてることがが判るの?
念話で繋ぎまくったから?
そうなら、気を付けないと。
忙しいって、ホントかな?
それならいいんだけと。
お出迎えは、玄関ホールで。
ドレスアップした私がカーテシーでお出迎え。
車椅子の上で唖然とするリチャード様。
泳いだ目を伯爵様に向ける。
「そう言うことだ。」
伯爵様、省略しすぎでは?
リチャード様のお部屋で、改めて婚約のご挨拶?
「この度、伯爵様よりお勧め頂いた婚姻のお話をお受けいたしました。末長くよろしくお願いいたします。」
「では、私達は準備があるのでまた後程。」
サッサと部屋を出ていく伯爵様とキャシー。
お後は若いお二人だけでってか?
「本当に良いのか?私で。話を聞いているとは思うが、この様な有様で普通の結婚生活は望めないが。」
「問題ありません。私こそ、昨年婚約破棄された傷物ですよ。」
「いや問題大有りだが?私達は平民になるのだぞ?」
「心配無用です。私の爵位が有ります。詳しくは伯爵様を交えて後程。」
「爵位?それよりも、私達で子供を望めなないかもしれないのだぞ?」
「お試しになったのですか?」
ズバリ、聞いてみたら、目が泳いで入口に控えているメイドさんの方を向いて、目を合わせた。
あ〜、お試しになったのですね?




