第59話 リハビリ③
今日も、女神様の為に!
リハビリ五日目
病室内を歩く許可が出た。
体が軽い!
今なら、空も飛べるはず?
やらないけど。
でも、外出許可が出たら、試してみよう。
担当医の回診。
包帯を剥がして、絶句。
『頭皮が回復して髪が生えるのは分からないでもない。信じられないけど。
でも、欠損していた鼻と耳が生えているのは納得できない!』
と叫んでいた。
そんなもんかと思いながら、聞き流す。
だって、女神様が信じろと仰ったのだから。
なりたい自分を、更に強く念じる。
強くなる為に!
身体の奥底から、何かが湧き上がってくるのが感じられる。
女神様、待ってて下さいね!
リハビリ六日目
担当医も部屋付きの看護師も、もう声を上げることすら無くなった。
呆れているのかもしれない。
非常識な事は、私でも判るので。
『こんな物、発表など出来んぞ!』
叫ぶ担当医。
私ですら信じられなかったんだから、発表資料だけ見たら気を違えたと思われるだろう。
信じる者は救われる、とはよく言ったものだ。
担当医から、この件に関して緘口令が出たと伝えられた。
つまり、どちらにしても発表出来ないってことで。
リハビリ七日目
鏡に映る私。
誰?映っているのは。
看護師は、開いた口が塞がらないようだ。
部屋に後から入ってきた担当医も持っていた資料を落としたままフリーズしていて、復活する様子が全く無い。
何とか復活した担当医から、
「血液検査して問題無ければ、明日退院で宜しいかと?」
やった!
女神様に会えるかな?




