第54話 謁見? その4
「今回の謁見と、私はどの様に関係するのでしょうか?」
「………最初は、五月を一族として連れて行くことを考えていた。」
「一族?ですか?」
「そうだ、五月を養子にするか末の息子との婚姻を考えていた。」
「ったっなっなっぅ、なにぅをっ!」
噛んでしまった?なんですと〜?
「………末の息子さんて、以前日本に連れてこられた方ですよね?
『最初は』ということは、今はどうなのですか?」
「五月と王族との婚姻を考えている。」
「ぜぇーったいっ!お断りいたします!
無理です!
息子さんとのお話、是非進めて下さい!」
ゼェゼェ。
今まで生きてきてこんなに大声を出したことは無いぞ!
どさくさに紛れて、とんでもないことを言ったような気がしないでもない?
「………五月にとって王族との縁談は良い話だと思っていたが?
良いのか?息子との婚姻は拒否されると思っていたのだが?年下だしな。
次善の策として、養子を考えていた。」
「息子さんさえ良ければ、全く問題ありません。」
貴族家当主のお考えは、イマイチ理解出来ません。
「貴族家の婚姻に本人の意思は関係無いが、
むしろアイツは乗り気だったぞ?」
「息子さん、婚約されてなかったのですか?」
「昨年、婚約破棄された。」
「そりゃぁまた、ナンデ?」
婚約破棄、私と一緒だ!
「軍務についている時の怪我が原因だ。
後遺症が残るので先方の条件に合致しなくなってな。
跡取りとして望まれてたのでな。」
あっ、兵役、貴族でも有るのね?
「大怪我するような現場に出されたのですか?」
「上官が間抜けでな、前線に出されたようだ。
良くあることのようだが。」
「良くあるのですね?で、その上官、どうなりました?」
「左遷された後、軍法会議前に行方不明になったようだ。」
養子とはいえ、貴族家の跡取り息子予定者を亡き者にしようとしたら、そりゃそうなるわな?
貴族家、恐るべし。
あっ、でも、私がいればその後遺症、ナントカナッテシマウンジャァナイカナ?
そうだ、日本の猫カフェ、ドウシヨウカ?
大樹さんに、後始末頼むしか無いのかな




