第52話 謁見? その2
「魔法書にある不老不死の魔術が発動出来ると仮定して、それが謁見と何の関係があるのでしょうか?」
「………我が国の王族が、皆漏れなく長寿なのは知っているか?」
「………ある程度は?」
女王様、確か90歳近くでお元気だよね?
この帝国に限らず、王室のある国の元首や一族は皆長寿なんだよね?
老衰以外の死因を聞いたことがないような気がしてきた。
何故かな?
「王族の王位継承の条件に、魔力を持つことが有るのだ。」
「はぁ〜?なにそれ!」
確かに、某日本国でも元首様は皆長寿で、魔術的な儀式を行事として定期的に行なってますね?
「だが、一般人が魔力を失って久しいように、王族も魔力を失いつつ有るのだ。
今、我が国では女王様以外には有効な魔力を持つ者がいないのだ。」
「つまり、魔力が有るから長寿で、持たない者たちで継承権争いが有ると?
長子継承ではなかったのですか?」
「魔力を持ち長寿な者が統治しているからこそ国として成り立っているのだ。
その長子が魔力を持たないことが公になってから、水面下でだが争いになっている。」
「長子以下の継承権者は?」
「魔力量だけで言えば、大差ない。王族や貴族だけで婚姻を継承している間は魔力を維持できていたのだが、一般人との婚姻が認められるようになってからは加速度的に魔力が失われたのだ。」
なんとなく、話が見えてきたんだけど?
私、今すぐ逃げ出したほうが良いよね?




