第51話 謁見? その1
「………つまり、謁見が予定されていて、それを阻止したい勢力が有ると?
私達を皆殺しにしてでも?」
「概ね、その通りだ。」
「何故それに私が関係するのですか?」
「………爵位を賜っただろう?」
「あの時、保留にして頂いた筈ですが?」
執務室。
ノース邸から無事に帰ってきた伯爵様。
どうやら、伯爵様とキャシーが謁見にお呼ばれ?した事が私が狙われた原因らしいのだが、私にとっては意味不明だし?
「魔法書から新事実を発見した功績を無視したい者達からの妨害が有ったのだ。」
益々訳が解らない。
「あの魔法書からもたらされた情報が有益過ぎたのだ。認めたくない者たちにとってはな?」
「………具体的には?」
「魔法書は未だ解析中のようだが、今回の私達のように不老不死に近い魔術の記述が有ったのだ。
もし、それが確実なものであれば爵位どころの騒ぎではないだろうな。」
「でも、いくら魔法の記述が有っても発動しないんじゃぁ、意味ないのでは?」
「そこで、五月の存在がある。五月は魔法陣を操り魔法と同等の技術をもたらしたのではないかな?その事が妨害者達に漏れたと思われる。」
「何度でも言います!私は魔法使いではありません!
魔法陣使いです!」
「妨害者にとっては、同じ事だ。」
「………つまり、結論から言うとノース家は今回の暗殺騒ぎの首謀者ではないと言うことですね?」
「そのように考えている。」
ということは、暗殺者にはまだ注意しないといけないのね