第5話 終わりの日と、始まりの日 その4”
「五月、これ、ほんと?」
差し出されたタブレットを、私と幸子で覗き込む。
これ、元彼のフェイ○ブックだ。
「彼からラ○ンに通知があって、『五月と円満に別れた、詳細はフェイ○ブックで』ってあって」
読み進めるうちに、怒りで震えが止まらなくなる。
すぐに、スマホに保存してあった録音ファイルを4人に聞かせ、サインした覚え書きコピーを見せ、裕子にお願いした。
「裕子、あなたのお父さん、紹介してくれる?」
裕子の父親は弁護士、そして、元彼のフェイ○ブックにはこう投稿されていた。
『お互いに不貞行為がありそれぞれ反省し、円満に別れました。』
私は、目の前のビールジョッキを一気し、「ぜってーゆるさねー」と呟いた。
裕子曰く、「証拠としては弱いけど、任せて」と頼もしいことを言ってくれた。
その場で私のタブレットでスクショを取り、録音ファイルを裕子のタブレットに転送、覚え書きコピーも渡す。
早速、父親と連絡取ってくれた裕子が「明日午前中開けてくれるって。十一時でいい?」明日から実質無職なので、異存なくお願いする。
全力で、叩き潰してやる。
「じゃあ、明日に備えて、乾杯しよう」
荻野くんが私のジョッキを追加注文し、掛け声を上げた。
明日に差し支えない程度に、やけ酒やけ食いしてやる。
今年の仕事納めまであと1週間、年内に決着付けてやる!