第47話 反撃 その5
「このお屋敷をご存知でしょうか?」
伯爵様の執務室。
ネーロが投影した某お屋敷。
「………ノース家の別邸のようです。」
傍らに控えるキャシーが答える。
「では、この方はご存知でしょうか?」
「ノースの長子です。」
即答するキャシー。
貴方、秘書として有能だね?
これで、敵は貴族で確定だね。
でも、私を亡き者にしようとする理由がワカラナインダヨネ?
特に、伯爵様を敵にまわしてまで狙う理由が。
しかし、キャシーはともかく、中空に浮かぶ3D映像を見ても驚きもしない伯爵様。
貴方、私のことをキャシーからどんな風に聞いてるのかな?
私は魔法使いじゃぁないからね?
「実行犯はご覧のように監禁しております。
私には貴族家相手は荷が重いので、対応は伯爵様にお任せいたしますが、彼女らにやられている事はテロリストにされる事と同じですからね?」
「……五月が望む落とし所は有るかね?」
「この様な状況で、穏便になどと言わないように願います。」
「了解した。」
伯爵様が、キャシーと共に去ろうとしたので、
「キャシー、スノーとネーロ連れてって!
二人とも、キャシーの言う事聞いてお二人をお守りするのよ!」
頷いて、去っていく二人。
嬉しそうに着いていく使い魔二人。
最悪、暗殺されることも考えられるからね?
使い魔二人ついていれば安心だからね!
すぐには片付かないだろうから、約束通りお見舞い行きますかね。
あの、護衛少女の所へ。




