第43話 使い魔たちの事情 その2
「スノー、ネーロ、お願い!プライベートジェットとリムジンに細工した奴と、その背後関係調べて。できれば、確保して!」
『『ラジャ!』』
『………スノー、宜しいでしょうか?』
『……………………』
『このまま五月様の使い魔として、何時までいるのですか?』
『それよりも、感じないか?』
『…………我々の、魔力量でしょうか?』
そう、この世界に召喚されてから、我が魔力量が増え続けているのだ。
恐らくは、人間から失われた魔力が何処へ行ったのかが不明だったのだが、その不明だった魔力が我々に流れ込んでいるように感じられるのだ。
結果、我が主である五月様もそれ以上に魔力が増大しているのだ。
五月様は、魔法そのものは使えないものの、魔法陣を制御することにより魔法以上の威力を発揮した。
『魔力が増え続けている限り、この世界にいるつもりだ。』
『そうですか………』
『恐らくだが、この世界の数億年が我が世界の一瞬に過ぎないと思われる。少なくとも五月様が天寿を全うされるまでは、ここに在ろうとおもう。』
『この世界では、経過する時の意味があります。意味の無い我々の世界へ戻るおつもりはあるのですか?』
『……今のところ、無い。』
『………………』
『この世界には、我々が失った生と死、破壊と建造がある。我われが造物主となれるほど魔力が増大するまでは此処に在ろうと思う。それでも、我が世界の時を取り戻すには不足するやもしれないがな?』
『………そんなこと言って、単に楽しかったからここに居るとご自分に正直になったらどうですか?』
『……ソノヨウナコトハナイ……』
『そういうことにしておきましょう!では、行きましょうか?五月様の為に!』