第41話 反撃 その2
「………五月さ〜ぁ、なによぉ、さっきのあれはぁ?」
「だってぇ、リムジンのぉドライバーってぇオジサンのぉイメージなんだものぉっ!
あんな若い娘だなんて思わなかったから、つい………。火傷跡を目立たなくするだけで済ますつもりだったのよ?」
「その割には、ノリノリでやってたわよね?どうすんのよ?あれ!あのまま治ったら、私以上の狂信者の出来上がり!になるわよ?」
「は?誰以上ですって?どゆこと?」
「当たり前でしょう!魔法書の時は五月のお陰で爵位を賜って、今回は命を救われたのよ?しかも、二度も!」
「爵位?」
キャシーは、しまった!と云う顔をしたが、諦めたように話し始めた。
「五月と同じ様な理由で、その時賜った爵位を持っていることを公表したくなかったのよ。今回五月を呼んだ事と関係有るの。詳しくは、伯爵様から説明することになると思う。」
「………今、話せる事だけでも教えてくれる?」
「あの時点で爵位を得たら、上位貴族からの縁談を私から断ることが出来そうに無かったのよ。だから、伯爵様に私の保護をお願いしたの。」
「それで、秘書やってたのか!良いじゃない、貴族婦人様よ?」
「正妻ならね?良くて妾かお手付されるメイドよ!だから、献上した魔法書の情報が王族に正しく伝わるまで待ったのよ。」
「………なんか、や〜な、予感が、するんだけど?」
「………気の、せいだと、思うよ………?」
「………吐け!今すぐ!知っている事、全部!」
両手を翳し、赤黒く光り輝く1メートル程の魔法陣を出現させ、剣の形に変え、頭上に振り上げてキャシーに迫る私!。
「わかった!ごめん!謁見よ、女王様との謁見が有るのよ!」
「は?………もしかして、私が狙われたのは、そのせいか!」