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第39話 反撃 その1

「スノー、ネーロお願い!」


伯爵様の前面に、先程の病院事務長の醜態と、スノーが足止幽閉したローラと呼ばれた半狂乱の女性が映し出される。

まあ、脱出不可能だから、現在進行形なんだけど。


「このローラって、どなたですか?」


「…………私の義弟の第二夫人だ。」


渋いお顔で、答えて頂いたけど………

第二って、今でも居るんだ、さすが貴族様。


「これは証拠にはならないと思われますから、如何いたしますか?先程お願いした通りスタッフ全員今すぐ、尋問(拷問)して頂けますか?悪意を持って、間接的とはいえ、お命を狙われているのですよ?」


「………………処分に証拠や尋問(拷問)など不要だが、それ以外はすぐに手配する。」


「事務長の尋問は、私も立ち会わせて下さい。今すぐ向かえますか?」


単純に、貴族家の拷問方法に興味があっただけなんだけど、キャシーは青い顔をしていた。


事務長は、一瞬で落ちた。

文字通り、一瞬で。証拠と拷問をチラつかせただけでありとあらゆる事を話した。


つまらなかった。

貴族家の拷問って、そんなに恐ろしいのかな?


検査結果画像の加工は、事務長が自分でやったと。事務長の端末に加工した画像が残ってた。加工を口止めされた医師と検査技師の二人は口止め料を受け取っていて、悪質とのことで解雇された後、行方不明(処刑)になった。


首謀者は、ローラらしい。背後関係有るかもだけど、何故か恨まれてるらしい。

ローラへの尋問拷問は、義弟様がおこなったらしい。

らしいらしいと言うのは、ローラさんは尋問直後に病死(処刑)されたから。


貴族家、恐るべし。


事務長の自供によれば、伯爵様が膵臓がんであることを知って跡継ぎを狙う野望があるローラと共謀したらしい。

がんの発覚を遅らせれば、ローラの野望が叶うと妄想したようだ。


まあ、ステージ2の膵臓がんだと5年生存率は限りなくゼロに近く、2年でも一桁パーセントだからね。


一通り尋問が終わり、事務長の処分はどうなるのか尋ねると、


「聞かないほうがいいわよ?」


とキャシーが止めた。

後でコッソリ尋ねると、一昔前(といってもほんの十年位前)なら一家全員婦女子含めて、病死(処刑)になる案件だからねと言われた。

全部自供して、家族は助けたかったんじゃないかなと?


やはり、貴族家恐るべし。


諸々の情報を精査した結果、私が狙われたのは別件だったようだ。

ローラのルートではジェット機やリムジンの破壊工作は出来ないと結論が出たから。


さて、せっかく来たんだから、リムジンドライバーの見舞治療してきましょうか?

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