第35話 覚醒? その8
ネーロから、念話が来た。
『五月様、お迎えリムジンのドライバーが入院してるよ?』
「ん!分かった。後で見舞治療に行くから!」
『首から上と、手首から肩までが火傷、酷いね!あと、片目が見えてないみたい。』
「大丈夫、任せて。」
『それと、病院事務長を閉じ込めたよ。伯爵様が診断結果を取り寄せて他の病院行ったのを聞いて逃げ出そうとしたから!結界を張って認識障害掛けたから誰にも分からないし出られないよ?』
「でかした、戻ってきて。スノー!」
『ハーイ!コッチは事務長が連絡取ろうとした女を追尾中!』
「身元確認したら戻って!」
『『ハーイ!!』』
時間的に、そろそろ伯爵様たちが戻って来る頃。判断は伯爵様にお任せ!でも、使い魔たちの証言って、証拠になるのかな?
「ネーロ!貴方が見聞きした事、映像で再現出来る?」
『出来るよ!………………「不味いぞ!あれを伯爵様に気付かれたら私達は身の破滅だ!すぐにローラ様にお知らせして指示を仰がないと!うわっ!電話もメールも通じない!
…………扉が開かない!何故だ!
誰か!……………」こんなもんで、どう?』
「すごい!ライブ中継みたい!十分よ。」
そうこうしてるうちに、戻ってきた伯爵様。
かなり、暗い表情。
キャシーはドンヨリとした、魂が抜けたような………。
「如何でしたか?」
「………私は、肝臓と膵臓ガンでステージ2、キャサリンは…………」
「伯爵様、私から………私は、子宮ガンでステージ1っ」
入口に控えているメイドさんに、
「小さめのグラスを2つ、ショットグラスくらいのをお願いします!」
受け取ったグラスをテーブルに置き、軽く手をかざす。瞬間、透明な、キラキラ光る液体で満たされる。
「詳しい説明は後にさせていただいて、」
それぞれ渡して、
「飲んでください!」
二人とも、躊躇わずに一気に飲み干した。
私って、もしかして、凄く、信用ある?
騙されるとは、欠片も思わないのかな?




