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第26話 そして、始まりの日 その12
「名前か〜?」
また、変な声が出てしまった。
突然の事に、戸惑う私。
白猫様は、しろ?ゆき?ホワイト?
どれも、ぱっとしないな〜?
「そうだ、スノーでどう?」
「フミャ?」
「そう!気に入った?貴方は、『スノー』ね!」
瞬間、部屋全体が光り、震えたような気がしたけど気のせいだよね!
「貴方は、真っ黒だから……」
黒猫様が首を傾げながらこちらを向いた。
「くろ?犬みたい?ブラック?悪者だよね?」
どちらも、お気に召さないみたい。
「そうだ、ネーロでどう?」
「ミャッ!」
「かっこいい?決まりね!貴方は、『ネーロ』!」
ネーロは、一瞬光った様に見えたけど、毛の艶が良いから光の加減のせいだよね?
現実逃避はこれくらいにして、
「あなた達、何処から来たのかな?迷子かな?」
白猫様、黒猫様、お二人で目を合わせた後、私に向き直って、白猫様が………
「私達は、五月様に会いに来ました!」
しゃっ、喋った!!
「名前を頂きまして、ありがとうございます。たった今、私達は五月様の使い魔となりました。」




