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第24話 そして、始まりの日 その10
「あ〜?、召喚魔法陣だぁ〜?」
間抜けな声が出た私。
以前、伯爵様の依頼で『写し』を作った魔法書にあった、立体?召喚魔法陣だった。
3Dモデルにしてタブレットに『写し』たけど、いざ現物を前にすると呆けてしまう。
てゆーかー?なんで〜こーなるのかな〜?
これ、動くのかな?
魔法書に書いてあった、魔力の込め方を思い出して、やってみた。
ゆらゆらと、浮き上がり、少し、光り輝いたかと思った直後。
ぽん!ポン?………と間抜けな音と共に、それは、現れた。
白猫と、黒猫だった。
「………ペルシャ猫?ちょっと違うかも?」
白猫と、目が合う私。
黒猫は、私ではなく、白猫の方を見つめている。
なんとなく、先に目を逸したら負けかな〜、などと、下らないことを考える、現実逃避中の私。
先に、根負けしたのは、黒猫様だった。
「ナ〜オ!」とひと声鳴いたあと、私と白猫様の間に立つ。
白猫様は、私から目を離さずに、
「ミャウ!」
と鳴きあげた。
「えっ!名前が欲しいの?」
なんとなく、鳴き声の意味が、わかってしまう私。




