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第2話 終わりの日と、始まりの日 その1

最悪の年末年始だった。


クリスマス直前に振られた。

大学時代から長年付き合った彼氏に振られた。


二股かけられてた。最近、おかしいとは思ってたんだ。デートのお誘いも私からだけで、連絡もメールとSNSだけ。これが倦怠期か〜などと能天気だった私は大馬鹿だ。


別れ話は、駅前の喫茶店で淡々と進んだ。どうでも良くなったが、条件はいくつか付けた。

彼の実質浮気であることを認めること、結婚資金の共同貯金は全額私が貰うこと、私のアパートの彼の荷物は全て私が処分すること、共通の友人知人への連絡説明は彼が嘘偽りなく速やかにすること等…


能天気に浮かれた彼は、すべて条件を飲んだ。浮気相手が、高スペックだったことで、浮かれまくっていた。

相手は、彼の勤務先親会社支社長の娘らしい。彼の部署に新卒配属された娘に猛アタック受けて陥落したようだ。


話し合いは全て録音し、その場でクラウドと外部メモリに保存し、最後にノーパソ開いて条件を打ち込みハンディプリンターでプリントアウトして彼にサインもらった。

「そういうとこが、可愛くないんだよな〜」

最後に、彼がボソっと呟いた。そうさせたのは、お前だと叫ばなかった私を褒めてほしい。


サッサと店を出て、駅へ向かって歩き始めると、スマホが震えた。勤務先の3課の課長だった。舌打ちしながら通話開始、勿論録音。


「すぐに出社して手伝ってくれないか、今すぐに」


「直接連絡取ったら、どうなるか分かってお話ししてらっしゃいますか?」


ぶち切りして着信拒否、部長に録音添付して明日朝相談がありますとメール送信、部長も着信拒否して帰宅の途についた。

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