第18話 魔法陣 その7
伯爵家の紋章が入った用紙が届いたと、連絡があった。
早速、大学の、図書館特別室へ。
先に来ていたキャシーは、やけに荷物が多い。
なんと、おやつと飲み物持参。
貴方、何しに来たのかな?
気にしないで、作業開始。
梱包解いて、二山に分ける。
「どれ位、日数かかる?一ヶ月位?」
「もう、終わったよ?」
「へ?」
バケモノでも見たように、目を細めるキャシー。
「またまた〜!御冗談を!」
紙束を少し手に取り、フリーズ。
「ナニコレ?」
「『写し』た用紙。」
「五月の思う『写し』と、私の思う『写し』は、かなり!違うと!思うんだけど!」
声が、大きいです。
思い切り、叫んだ後、プルプル震える彼女。
ゼエゼエと、息切れもしてる。
「あと、立体モデルがこれに入ってるから、伯爵様にお渡しして。」とタブレットを指し示す。
「再生は、私が作った専用アプリでしか動かないからね!他の端末にデータ移せないし、移せても見られないからね!パスワードは、後でキャシーと伯爵様にメールしとくね!」
「五月、貴方、最初から変だとは思ってたけど、此程とは思わなかったわ。」
「………お互い様だと思うけど?」
「………で、どうするの、これ。このまま渡すと結構面白い事になりそうだけど。」
「私が?それとも、貴方が?」
「両方!報酬は、日当と成功報酬で考えていたから、一瞬で終わったとなると…………」
「………………」
「もう1セット、作ってもらえる?」
「いいけど、どうして?」
「ここまで完璧だとは私も思わなかったし、伯爵様はもっと思わなかったはずよ。2つ作って、1セットを王室に献上するの!」