第14話 魔法陣 その3
「お貸し頂いた資料、二冊とも中に封印された領域があります。開く許可を頂けますでしょうか?」
自分でも、ナニヲイッテイルノカヨクワカラナイヨ。
でも、解ることがある。
隠し領域が有ること、封印された領域が有ること。
更に、その奥に、ナニカガイルコト。
じっと、画面上から此方を見つめる伯爵様。
何か、思い当たる事でもあるのかな?
「今からそちらに向かう。二冊とも封印して、待っていてくれたまえ。」
見かけどおりの、渋いお声だった。
言葉の意味を、理解するのに、しばらく掛かった。
私とキャシーがフリーズしてる間に、通話は切断されていた。
「……封印って、なに?」
先に、キャシーが復活した。
「このままでは、中身が見えないから封印って言ってみただけ。」
伯爵様が到着するまで、たとえキャシーでも言わない方が良いだろう。
私には『キャシーには見えない文字や図や、浮かび上がる3D映像の様なもの』が、見えてしまった事を。
更に、このニ冊が、何らかの意思を持っているように感じてしまった事を。
開いたままの魔法書を閉じ、再封印する前に、裏表紙の魔法陣を眺めながら、ふと、掌をかざしてみると…………