1/105
プロローグ
第1話 プロローグ
だれかからよばれている
ほそく ながく
かすかなさけびがきこえる
だれ
わたしをよんでいるのは………
幼い頃の、記憶。
誰かに呼ばれていた。
薄れていく記憶の中で、何処か遠くからの声で。
あれは、何だったんだろうか?誰だったんだろうか?
今でも時々、思い出す。
何故、私は呼ばれていたのだろうか?
私は、何処へ行けば良かってのだろうか?
幼い私の、遠い、遠い記憶。
手を伸ばしても届かない、耳を傾けても微かにしか聞こえない、幼い頃の、記憶。