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これが、タネ明かしだ

景野、チミー、デューゴと『ピエロ』との戦闘に高笑いで乱入してきた者。

それは先日『ピエロ』の奇襲を受けて死亡したはずの...


「ジョージ・ガタストン!?」

「また会ったな、白衣の男!先日は取り逃がしたが、『ピエロ』共々撃ち殺してやろう!!」

「いや、と言うより.....」


何故、生きている!?





先日、カイルとデューゴとの戦闘に颯爽と現れ暴れた後、『ピエロ』の不意打ちによって腹部を貫かれ、自身の銃弾を受けて死んだはずだ。

一同の頭には疑問ばかりが浮かんでいる。


「はっはっは、おおかた『何故、アイツが生きている!?』とでも思っているのだろう?驚いただろう!」

「ギギギギギッ!!!」


笑うジョージに『ピエロ』が銀色の爪を煌めかせて襲いかかる。

ジョージは手に持っていた散弾銃で真正面からの爪を受け止め、後ろに飛んだ。


その瞬間、彼の背後の虚空から大量の銃が出現。

ジョージは右腕を高く掲げ、発砲の合図として振り下ろす。


()ぇーーーーーーーーい!!!!」


轟音と共に、ジョージの背後にある大量の銃が火を噴く。

弾丸の雨は唸りを上げ、『ピエロ』を含めた4人に殺到した。


「ちょっ!?」


チミーは慌てて腕を縦に振り下ろし、目の前にエネルギーから生成されたバリアを出現させて銃弾を防ぐ。


景野は自身の影に溶け込む事で、デューゴは亀の甲羅のようなものを装備している合成獣(キメラ)を生成し、銃弾から免れた。


だが鉄の嵐は止まない。

『ピエロ』どころか、チミー達も巻き添えにするつもりなのだろう。

流石にこれは、止めざるを得ない。


「いい加減に....し、ろっ!!」


張っていたエネルギーのバリアを、ドリルのような円錐型に変形させる。

バリアを回転させながら、ジョージの元へ突っ込んだ。


「どわっ!?」


銃弾の効かないバリアを纏ったチミーに対し、回避に宣言すべく銃撃を一瞬停止させたジョージ。

その隙を狙って、『ピエロ』が動いた。


「ギアッ!!」


地を蹴って跳躍し、銀色の爪を振りかざす。

『ピエロ』の姿に気付いたジョージは振り向きざまに散弾銃を放ち、『ピエロ』の足を撃ち抜いた。


足を撃たれ、血を撒き散らしながら落下する『ピエロ』だが、落ちる間際に左手からピアノ線を飛ばす。

蜘蛛の糸のように細いピアノ線を視認できず、ジョージの脇腹にピアノ線が突き刺さった。


『ピエロ』がピアノ線を手繰り寄せ、地上にジョージを引きずり下ろす。

『ピエロ』とジョージの両者が地面に落下し、砂埃を上げた。


「ちっ、いってぇ!」


空中から地面に落下した時の衝撃は、並の身体能力では致命傷にも及ぶ。

ジョージは軋むような全身の痛みに耐えながら、よろよろと立ち上がった。


と同時に、彼の脇腹に突き刺さったままのピアノ線が引かれる。


「ッ!?」


ピアノ線を手繰り寄せたのは当然『ピエロ』。

ジョージは急いで空中に銃を出現させるが、彼が撃つよりも『ピエロ』の爪の方が速かった。

長い銀色の爪はジョージの胸を貫き、鮮血を絞り出す。


瞳孔が開き、ジョージの目から光を失われた。


しかし。


()ぇーーーーーーい!!!!」


何故かジョージの声が響き、空中を漂っていた大量の銃が火を噴いた。

勝ちを確信していた『ピエロ』は、思わぬ攻撃に初めて焦りの色を見せる。


前回と同じく、自身が突き刺しているジョージの背を盾にして銃弾を防ぐ『ピエロ』。

しかし、今回は条件が少し違っている事に奴は気付いていなかった。


それは、先程ジョージに足を撃たれていた、という事。

突然の攻撃でその事を完全に忘れていた『ピエロ』は、足を踏ん張ろうとしてバランスを崩してしまった。


姿勢を崩し、地面に倒れた『ピエロ』に、容赦の無い銃弾の雨が降り注ぐ。


しかし、『ピエロ』には死んでもマネキン人形の身体を借りて復活する能力がある。


近くで立っていたマネキン人形の姿が変化し、 『ピエロ』の姿へと変貌。


「そう来ると思ってたぜ!」


上空から声。

その場にいた全員が顔を見上げると、そこにはジョージが立っていた。


「...!?」


『ピエロ』は困惑した様子で、先ほど貫いたジョージの死体と、今現れたジョージとを見比べる。

『死んだジョージ』『生きているジョージ』のどちらも、存在するのだ。


「はっはっはっはァ!!これが、タネ明かしだ!」


一体どういう状況なのか、誰もが理解できなかった。

ジョージが2人いる。

いや、厳密に言えば初日で倒れた分も合わせて3人、存在していたという事か.......?


「元々、複数人存在していたという事か。」

「複数...?はっ、違うね。」


デューゴの解釈を鼻で笑い、ジョージは両腕を広げ答えた。


「俺の能力は『複製』。この大量の銃を『複製』し、この身体も『複製』した。実質的な不死身、かつ最強の攻撃力を持つってワケよ。」


そう言いながら、空中に大量の銃を生み出していく。


『ピエロ』にはジョージと同じく、自身をマネキン人形に乗り移らせる、実質的な不死能力を持っている。

しかし、ジョージの能力とは圧倒的に異なる、弱点が存在した。

ジョージは腕を掲げ、発砲の合図を構える。


『ピエロ』のマネキン人形は、『ピエロ』の近くでしか生成できない。


すなわち。

まとめて攻撃すれば、『ピエロ』は乗り移る対象を失ってしまう!


()ぇーーーーーーーーい!!!!!」


ジョージが腕を振り下ろし、『鉄の嵐』が巻き起こった。


マネキン人形と一緒に狙われている事を察していた『ピエロ』は自身の周囲にマネキン人形を集め、マネキン人形を盾にしながら『鉄の嵐』の範囲外まで脱出しようと走り出す。

しかし、その体は途中でピタリと停止した。


動かない『ピエロ』の身体に迫る、『鉄の嵐』。


「ギィアアアアアアァァァァァッッッ!!!!!」


突然身体が動かなくなった『ピエロ』は『鉄の嵐』から逃げ切る事ができず、その全身に銃弾が突き刺さった。

大量の弾丸によって爆撃の如く炎が上がる。


「流石に、これで死んだろ。」


地面に着地したジョージは、黒煙が晴れた先を覗く。

そこには全身が穴だらけでほとんど原型を無くした『ピエロ』の残骸と、その傍らに景野が立っていた。


「『影縫い』。影と本体は一心同体、影を止めちまえば、本体も動けなくなる。」


『鉄の嵐』から脱出しようとした『ピエロ』の身体が突然動かなくなったのは、景野の能力によるものだった。

横たわる『ピエロ』の胸部へ、唐突にジョージが散弾を一撃放つ。


重い音が鳴り響き、『ピエロ』の体に残っていた僅かな血液が溢れた。


当初の目的だった『ピエロ』が倒れ、静まり返る現場。





「はぁーーーーっはっはっはっは!!!」


最初に声を発したのは、ジョージだった。

静まり返った街中に、笑い声がよく響く。


「見たか!!正面からの戦いで俺に敵うやつなんざ.....」


そう言いかけたジョージの笑みは突然消え、背後を振り返った。

金属が打ち合う音。

ジョージは自身の背後にいた()()()からの攻撃を、手に持っていた散弾銃で受け止めたのだ。


それはチミーでも景野でも、デューゴでもない。


「月が出ておるんだ、少し静かにしたらどうだ。」


落ち着きのある、深く得体の知れない声色。

ジョージは歯を食いしばりながら放たれた腕を受け止め続けているが、少しずつ銃身が歪み始めている事に気付く。

なんてパワーだ。


目の前に現れた新たな『参加者』。

山羊やぎの頭部に人間の体、背中には翼が生えており、頭にはねじれ曲がった大きな角がそびえているその姿は、まるで悪魔(バフォメット)の如し。


そして彼は、9人で戦う事となった『宝珠争奪戦』に現れた『10人目』である。

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