最終
目が覚めると病院にいた。
身体中が痛いけれど、命に別状はないとお医者さんから説明を受けた。
ボクは、家の近くで車に轢かれ、病院に搬送されたらしいが、奇跡的に大怪我はなく、擦り傷だけで済んだようだった。
念のため検査だけはして行ったほうがいいということで、今日は病院に入院することになった。
親には散々怒られた。そもそも、轢かれた時間が授業中の時間だし、ボクもなんでそんなところにいたのか覚えていなかった。
まあなんにせよ何もなくて良かったと親は帰っていったが、ボクの中には疑問だけが残った。
事故の衝撃から全て忘れてしまったのだろうか。事故の時のことを聞こうにも、車は轢き逃げでまだ捕まってないし、通報してくれた人も駆けつけた時にはもうそこにはいなかったらしい。
何もかも釈然としないままボクは翌日退院した。
何か大切なものを無くしてしまった気がする。
学校に行くと、みんなから心配された。事故にあったあの日は突然教室を出て行ってしまったとのことだった。全然覚えていない。
みんなにきいてもなんか怒ってたよとは言うもののどこか曖昧な様子。事故にあったボクの記憶だけならまだしもクラスのみんなの記憶が曖昧でなんだか不気味だ。
それからは普通に登校していたのだけれどやっぱり何か足りない気がする。誰に聞いてもこんなざっくりとした疑問気のせいじゃないかと押しのけられる。
事故のほとぼりもさめ、とある日。
ボクは自分の部屋で見覚えのない手紙を発見する。
可愛らしい封筒に宛名書きはなし。差出人も不明と。
一見ラブレターに見えるが、そんなもの生まれてこの方もらった記憶も家に持ち帰ってきた記憶もない。
だがしかし、開かないことにはこれがなんなのかわからないので開けてみることにする。
『この手紙を読んでるってことはアナタはもう私のことを忘れていると思う。けど黙って読みなさい』
一行目からすごい上から目線でびっくりした。けど、どこか懐かしくて、かなしくて、嬉しくていろんな感情が芽生えた。
『もうきっとアナタに会うことはできないけど、どうしても一つだけ言わないといけないことがあったの。そう、あの日言おうとしていたこと。私が使ってしまった魔法について』
魔法と言う単語を聞くとなんだか変な気持ちになる。なんだか胸の辺りがざわつくような。
「あのね。私感情を操作する魔法を使ってしまったの。両思いになれますようにって。ごめんなさい。忘れちゃってると思うけど。それだけ。」
ボクは確かに抱きしめていた。目の前の彼女を。大好きな幼馴染。
ボクの前ではツンツンして素直になれないけどそこがたまらなく可愛い幼馴染。
「途中から聞こえてたよ。ずっと近くにいてくれたんだね。」
大好きだよ
そう言ってボクは彼女の名前を呼んだ。
〜fin〜
完結
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