二話
「あのね、魔法って言ってもね。大したことができるわけじゃないんだけどね」
彼女はそういうと、嬉しそうに自分が使える魔法について話し始めた。その表情はまるで純粋無垢な少女のようである。最近では何かとツンツンしている彼女しか見ていなかっただけに、新鮮な気持ちになる。
彼女の話をまとめると、魔法を使えることに気がついたのはほんの数週間前。使ったことがあるのは気づいた時を含めて2回。
一回目は、お母さんに部屋の片付けをしなさいと怒られて、面倒だったから指でも鳴らしたら片付かないかなと半分冗談で指を鳴らしたら、まるで昔見た映画のように部屋に散らかっていたモノが元々あった場所に帰っていたようだ。
ここで、調子に乗って色々やってみようとしないところが彼女らしい。
自分はおかしくなったんじゃないかと思って相当悩んだようだ。でも、もし本当にこれが自分の力なら凄いことなんじゃないかとワクワクする気持ちがあったようだ。
そして、2回目。今度は全く別のことをしてみようと思ったらしく、花の種を買ってきて地面に植えて指を鳴らしたようだ。そしたら、瞬く間に芽が開き花が咲いたそうだ。
どうして花?と思ったが、まず思いついたのが花を魔法で咲かせるなんて素敵と思っていたらしく、そこは女の子だなと思った。
ボクならきっとエッチなことに使うだろうけど、そんなことを言ったらきっと彼女にとてつもなく冷たい視線を浴びさせられるだろうからボクは黙った。
何はともあれ、彼女は確信した。私は魔法が使える。そして、何ができて、なにができないのか色々なことを考えた。
ワクワクしている反面、自分が怖くもあった。周りの目もあるし、もし誰かにバレたらどうなるか恐ろしかったようだ。
だから、唯一安心して相談できるボクに話した。何ができるか試していきたいけど誰にも知られたくないし、ボクなら誰にも言わないし信用していると。
そして、ひとしきり話した彼女は満足した。ふーっと一息ついてから冷静に考えて信用していると言ったのが恥ずかしくなったのか急に顔を真っ赤にして要らない一言を付け足した。
「アンタは私の奴隷だから。だから信用してるだけだから!勘違いしないで!」
勘違いなんてしないよ。勘違いできるほどボクたちの歴史は浅くないし、彼女がツンツンするのはボクの前だけなのだから。
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