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瞬華  作者: 彩川 彩菓
11/14

十一話


大好きだよ。








「…なによ、突然…て、照れるじゃない」


花火に照らされた千春は恥ずかしそうに顔を逸らしてしまった。


きっと、私がこの子に向けているのは、友愛ではない。でもそれは…きっと今の私が伝えるべきことではない。





だから…。





「ありがとう。千春。」





空に、華が咲いた。










楽しい時間は、あっというまにすぎてゆく、それこそ、瞬きでもしている間に。楽しかった花火の

時間は、終わってしまう…。



「綺麗だったね…。」

「うん…。」

「きっと、いい思い出になるよね…?」



「…また、来年もみたいね。」


千春の言葉に、私は返事を返せなかった…。



不思議と、わかっていた。もう私に。来年は訪れない。もう私は…。


「んっしょっ。ふぅ…じゃあ、花火も終わったし。私はそろそろいくね。」

千春の隣から立ち上がり。扉にその手をかける…。



「夏海!!」


後ろから、声が聞こえた…



「…また明日、ね?」


私は振り返って彼女の顔を見ることが、できなかった。

顔を見せることができなかった。


「うん!またね。千春。」



私は、声を作って、彼女の部屋を後にした。



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