表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瞬華  作者: 彩川 彩菓
10/14

十話


「こんばんは。夏海…。なんか、夜にこうやって会うのは新鮮ね。」

「うん!こんばんはだねー。あ、花火はどう?」

いつものように私は夏海を迎えいれる、いつもと違うのは時間くらいのものだ。あたりの暗くなり始めたその夜中。私は彼女をいつも通り迎え入れる。

「そろそろ始まるよ」


夏海を手招きして隣に呼ぶ。夜野街を彩る光が、空の華を見るために、ぽつりぽつりと消え始める。

「私、初めて見るかも…花火って。」

「…私も、友達と見るのは、初めて」


ちょっと照れくさいけど、あなたに友だとはっきりそう伝えたかった。



「…うん。そうだね…私も、一緒。」


…あらかじめ電気は消してある。外の薄暗い中で二人で顔を見合わせる。


「ねぇ…千春…」

夏海が何かを言おうとしたその時…空に、華が咲いた。


「あ、始まった。」

「えっ?あ、う、うん…」

色とりどりの華たちが、夜空に浮かんで消えてゆく。

一瞬だけ美しく浮かんでは…消えていく…。


「まるで、私たちみたいだね…。」






「ねぇ…千春…」


「どうしたの?夏海。」


「私ね…」





「あなたのことが…」








「大好き。大好きだよ…。だから…。」





「ありがとう。」



窓から差し込む華の光が。私たちを照らしていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ