80話 前夜祭パーティー1 婚約者だと堂々と(ライミィ視点)
響介、指輪を買う。
やっほー、ライミィです。いや改めてライミィ・コウガミです!いや~ラミアって家名ってのないからなんか新鮮だねぇ。結婚するなら私も名乗っていいの?ってキョウスケに聞いたら
「じゃあもう名乗っちゃえよ。言ったもん勝ちだろ?」
はいナイスな意見頂きましたー、即採用。キョウスケと笑いながらこんなやり取りをしていると見ていたエリーとステラも
「お兄ちゃん、エリーも」
「キョウスケ様、恐れ多いのですが私も宜しいでしょうか?」
私とキョウスケのやり取りを見て羨ましかったのかな?自分も自分もとキョウスケにお願いする。エリーは家名はあるけどステラはあったっけって思ってるとキョウスケが
「そうなると、エリーはエリー・コウガミ・リイニッジ、ステラはステラ・コウガミ・プトレマイオスってなるんじゃないか?」
そうそう、確かエリーはお母さんがエルフ国の王女だったからその家名があったよね。ステラのは…あっそっか、あの人造人間の造った人の家名か。2人の大切な家族との繋がりを明確にするあたりやっぱりキョウスケは優しい。でもそんな簡単に家名を渡していいのかな?てのもちょっと前のナンパ野郎とのやり取りを思い出したから。確か
『自分達の名前を出すなら行いに恥じない行動をしろ。決して脅しや恐喝に軽々しく使うな』
だったかな?エリーもステラもそんな事しないのは私も知ってるけどちょっと心配。するとキョウスケが
「俺はな、みんなの事を家族だと思ってる。確かに血は繋がってない、種族も違う、端から見れば偽もんだ。でも家族ってのはそんなものじゃない」
キョウスケが言うと説得力ある。まだお母さん達と暮らしてた時だけどキョウスケは引き取られてからおじいちゃんと後は実家の組の若い衆って言ってた出身も生まれも違う男の人達と家族同然に暮らしてたんだって。
それ聞くとやっぱりラミアのみんなを思い出す、ラミアは基本みんなで集団生活だから聞いた時は少し親近感を感じたんだよねぇ。
っとそれは置いといて、キョウスケは家族は心構えだって言った。ただエリーもいたからかなり噛み砕いた説明だったけど私含めみんな納得出来たんだ。するとエリーが
「ならお兄ちゃん、家訓、作ろー」
かくん?なにそれ?って私とステラが首を傾げたんだけどキョウスケは「そんな言葉どっから覚えた!?」って驚いてた。要は家族の決まり事らしく
「いいじゃんいいじゃん、みんなで決めようよ」
こんな感じでコウガミ家の家訓会議をルーブル滞在中の宿でしてたんだー。
それからキョウスケのピアノ練習や後日ルーブル入りしたランベール卿達との打ち合わせやらしてもう建国祭も後2日、今日は前夜祭って事で貴族の皆さんがパーティーするみたい何だけどなんと私達もお呼ばれしたの!それでランベール卿の別宅にお招きされたんだけど私達みんな参加するような服持ってないから断ろうとしたんだけど
「心配に及びませんわ!私にお任せ下さい!」
メアリーさんがそう言ってパチンと指を鳴らすとメイドさん達が沢山服を持って来たの!もうビックリしたよ~流石貴族ルーブルにこんな豪華な別宅もあるんだから。でもステラは
「私は従者でございます。差し支えなければ付き人としてこのままでお願い致します」
お着替えを辞退。メアリーさんに聞いてみたらエリーの側付きって事ならだいじょぶみたい。まあ子供だしエルフだからってことでパーティー中はエリーについて貰おう。うん。それで持ってきて貰った服を着ようとして服を脱ごうとしたんだけど
「待って下さいライミィさん!」
「どしました?」
「あの、キョウスケさんがまだ部屋に居ますよ?」
「え?不味いの?」
「当たり前です!それにキョウスケさん!貴方も服の採寸をして下さい!リア!ご案内を」
「か、かしこまりました!」
なんでか顔を赤くしてるメアリーさんの指示でこれまた顔を赤くしてるメイドさんの一人がキョウスケを連れていっちゃった。
「なにが不味いの?」
「ライミィさん、殿方の前ですよ…」
さっきからメアリーさん顔赤いけどどうしたんだろう?
「え?いつもキョウスケの前で私達普通に着替えてますよ。それに私は見てもいいよって言ってるのにキョウスケ見てくれないんですよ~」
「エリーも」
「私も」
って笑って言うもんだからメアリーさんに「皆さん恥じらいを持ちなさい!」ってみんな揃って怒られた。しょうがないって、特に私はラミアのみんなと暮らしてた時からキョウスケの前で普通に着替えてたんだから。まあ私もだけどみんな「別に見られても減るもんじゃない」って考えだったから今更感が凄い。でもキョウスケは絶対見てくれなくて私はがっかりしたけど
そんなこんなでドレスを試着しようとしたんだけど問題が
「うーん、胸がキツイ…」
「ライミィさん、大きいんですね…」
メアリーさんと一緒に来たメイドさん、アンさんにそう言われてその後ちっちゃい声で「Dカップのお嬢様に比べて2サイズ位違います…」って言ってた。しょうがないね、ラミアはおっぱい大きいから。種族柄なのかみんなおっきいんだよね~それに加え
「それでいてウエストがこんなに細いなんて、どうしましょう…?」
どうやら私は人間からしてスタイルがかなり良いみたい。メアリーさんがスタイル悪いって言ってるんじゃないよ!?ただ身長も10センチ位違うし(人間状態の私は大体160半ば)おっぱいは大きいけどそれに比べてお尻とか太ももはそこまで太くないしどっちかってと筋肉質かな?でも腰周りは私がラミアだからね、ラミアは移動するとき腰を動かすから自然と引き締まるんだよ。(人間状態の時は別だよ。お母さん曰く歩き方でラミアだってバレるらしい)
その結果メアリーさんが持ってきてくれた服が合わない。いっぱいあるからもったいないなぁって思ってたら
「…これはもう一から仕立て直しましょうか。お嬢様」
「構いませんわ、何着かライミィさん用とエリーさん用に直して上げて下さい」
「畏まりました」
するとアンさんは手に持ってた採寸道具で私とエリーを隅々までは計り始めたと思ったら魔法(多分生活魔法)を詠唱してする。そしたらドレスがほどかれるようにバラバラになったかと思ったら私(下着のみ)の周りに纏い始めたと思ったら
「わぁ…!」
すごーい!私ぴったりのドレスがもう出来ちゃったよ!元々メアリーさんが持ってたドレスはみんな質がかなり良かったけど着た感触はそれよりいいし、しかも色合いも変えられる事に私は関心した。このドレスは元々は淡い寒色のドレスだったんだけど黒を基調としてボディラインがはっきり出てなんて言ったかな?そうそう官能的だっけなおっぱいが強調されてなかなかセクシーなドレスなの!でも
「うーん…」
「如何致しましたか?」
「可愛らしくて色もいいんだけど、だけどね、もうちょっと露出がないほうがいいかなぁって…」
うん。そうなんだよね~、私がおっぱい大きいからしょうがないんだけどさぁ、って嫌味じゃないよ!?出来ればもうちょっと露出を抑えておっぱいも谷間見えないようなドレスがいいかなぁって思ったの、だって今のドレスはどうもおっぱい強調しちゃってキョウスケに見せる分にはいいけど他の男からは見られたくないんだよねぇ。
リリスさんなら喜んで、ベラさんやツバキさんなら面白がって着るんだろうなぁ
「し、失礼しました!」
「そうですわよね、ライミィさんにはキョウスケさんがいらっしゃいますからライミィさんもキョウスケさん以外の殿方には肌をお見せしたくないですわよね」
「お姉ちゃん、すごいけど、似合ってる」
「確かにお似合いですが、少し煽情的な気が…」
「同性の私も少しドキリとしましたわ」
こんな感じで和気藹々とした感じで私達はドレスを作って貰ったの、メアリーさんからは「私からのせめてものお礼ですわ」って言って結果私はこのドレスとあと3着位、エリーは5着位作って貰ったんだ。このドレスはキョウスケと二人っきりの時に着よっと♪後はアンさん達に髪型を整えて貰って似合うアクセサリーをメアリーさんに選んで貰ってパーティーに出ても恥ずかしくないようバッチリ整えてもらいました。
その後着替えが終わってみんなとパーティー会場へ向かうとキョウスケが先に待ってたんだ。
もう、キョウスケがヤバい。ヤバ過ぎって位カッコ良い。はっきり言うね、またさらに惚れた。
「みんな似合ってるな。誰か分からなかったよ」
それこっち!ってメアリーさんやメイドさん達とみんなで言った。こういう席で男の人って大体タキシードになるのは知ってたけどキョウスケはヤバかった。身長おっきいし足も長いから凄い似合うし、普段の髪型と違うオールバックって髪型でいつもと印象が違うし(何時もは無造作ヘアっての)、後はやっぱりキョウスケの非の打ち所のないイケメンフェイスがオールバックのおかげで露になってるしでもうトータルカッコ良くて直視出来ない、その証拠にメアリーさんのお付きのメイドさん達がキャーキャー言ってる。
「お兄ちゃん、カッコいい♪」
「ありがとなエリー、エリーも可愛らしいな」
キョウスケはエリーの頭を優しく撫でる。この時も然り気無くシニヨンだったかな?整えて貰った髪の毛を崩さないようにするのは流石だね。
エリーの用意して貰った服は真っ白いドレスでエリーの浅黒い肌と見事にマッチしてとっても似合ってるの!でもそれが分かるのが私達だけなんだけどねぇ。私もエリーも各々アミュレットと護符を忍ばせてるから抜かり無いよ。エリーを撫でてたキョウスケは私の方を向くと手を差し出して
「エスコートをさせて頂けますか?」
って言ったけど緊張してるみたいで顔が赤い、私は迷わず
「はい、お願いします」
キョウスケの手を直ぐ取り腕を組む。そして歩いてる中キョウスケは私にだけ聞こえる声で
「本当に、すごい似合ってるな。本当に分からなかった」
少し照れながら私の見て感想を言ってくれたキョウスケに私は嬉しくて組んだ腕をより強く且つ優しく力を込める。それで
「どこが似合ってる?」
上目遣いになっちゃったけどキョウスケに聞いてみる。すると
「そうだな、その着こなしている暖色のドレスが普段と印象が違っていい。化粧もライミィ自身の良さが出てる。ごめん、口開いたら止まらないな…」
さっきより照れて褒めてくれるキョウスケがいとおしくなってさっきより強く腕を絡めて上機嫌になる。そんな感じで行き交う周りに見せつけながらパーティー会場になってるトライユ公爵ってお偉いさんのお屋敷に私達とメアリーさんは向かったんだ。
「おおっ!キョウスケ君、待っていたよ」
豪華なパーティー会場に入ると私達は注目を浴びたのか先にパーティーに参加していた貴族や騎士の人達の視線が一斉に向けられたの、私は顔に出なくてもびっくりしたしエリーもステラの後ろに隠れちゃった、でもキョウスケは全く物怖じせずに声を掛けて握手を求めてきたランベール卿に
「いえ、自分のような者にパーティーに招いて頂き、光栄です」
いつもみたいに毅然とした凛々しい表情で握手を返す。周りはザワザワと騒がしくなって
「ランベール卿が握手を求めるだと……!」
「あの若造達は何者だ?」
「カッコいいわね、彼」
「寄り添っているあの女性は…?」
「ふつくしい……」
色々聞こえてきたけど私達に対して悪い印象は無いみたい。ランベール卿とメアリーさんが楽しそうにキョウスケや私と話しをしていると
「アルド楽しそうに何を話しているんだ?」
キョウスケ以上に体格のいい戦士みたいな貴族のおじさんがランベール卿に声を掛けてきたの、その横には何処かで会ったことあるような男の人が私達を見て驚いてた。その人達にランベール卿が
「シモンか、相変わらずだな。なに、ただの世間話だよ」
「成る程な、そこの男が例のピアニストだな?」
シモンって呼ばれたおじさんがキョウスケと私を見やるとニッと笑い
「息子が世話になった。俺はロイジュ侯爵家の当主シモン・ゲルニッチ・ロイジュ。貴殿の働きに騎士団を、我が民達を助けて頂き俺からも礼を言わせて欲しい」
そう言ってキョウスケと私に握手を求めてきた。この人がロイジュ侯爵かと思うと
「この間ぶりだね、改めてアルス共和国騎士団、第2騎士団団長ライアン・ボル・ロイジュだ」
スタンピードの時の騎士団の偉い人だ。家名が一緒みたいだしどうやら親子みたい。ライアンさんは私を見て
「美しい…」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
「この兄ちゃんがピアニストって聞いていたがこっちのお嬢さんはなんだ?」
なんだと聞かれたので私はしっかりと答える。
「初めまして、婚約者のライミィ・コウガミです」