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異世界に来たらピアニストになった俺~しかし面倒事は拳で片付る任侠一家の跡取り息子の見聞録~  作者: みえだ
第3章 商人の国 ~遺跡を探検するピアニスト~
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44話 魔法 出会った頃の響介と魔法復習

響介、家計簿を付けるpart2




「お兄ちゃん、お顔真っ赤っかだった」


 響介が風呂へ向かった後、ライミィはエリーの髪の毛を拭いてあげていた時の事だ、エリーは撫でられている猫みたいに気持ち良さそうになすがまま拭かれている。ふとライミィが


「でもキョウスケ嫌がってはないでしょ?」


「うん」


「集落でもそうだったんだー、私の他にもっていうかみんなか、私見て自分も男の子に抱き着きたいって言って結局みんなキョウスケに抱き着いたの」


「みんなが?」


「そ、ラミアって女の子しかいないから人間とは言え街に行かないラミアには男の子って初めてだったからね、それにみんな「キョウスケ可愛い」って言ってみんなキョウスケの事気に入ってたし」


 笑いながらライミィが続けた。


「それでね、キョウスケは「自分は家の人でもこんな風に接して貰えなかったから」って言ってたの、両親は2歳の頃に死んじゃってお爺ちゃん所に行ったんだって。それに皆キョウスケの事恐がって近付かったから女の子の接し方がわからなかったって言ってた」


「恐い?お兄ちゃんが?」


 エリーは頭にはてなが浮かんだ。いつも優しくてカッコよくて優しい匂いがする響介に恐いという感情が無かった為尚更だった。


「んーと、私もよく分からないんだけど任侠って家の出らしくて、私達で分かるようならマフィアかな?家を恐がられてたって言ってたけど、ごめんね。私も分かんない。はい終わったよー」


 どう答えようか少し困ってしまいエリーの綺麗な銀色の髪を撫でるように拭いて時間を稼ぐライミィだった。「だってしょうがないじゃん綺麗な長い髪なんだから」とはライミィ談。そんなエリーは突如ライミィに向き直り


「お姉ちゃん、出会った頃をお兄ちゃん教えて」


「え?」


 いきなりのあまりキョトンとしてしまったライミィだったがエリーは瞳を好奇心でキラキラさせていたので


「そうだね~それじゃあ…」






「ふぅ、いい湯だった」


 久しぶりにのんびり風呂に入ってリラックスしていた響介。部屋に戻るとライミィとエリーがなにやら盛り上がっている。


「二人共、どうしたんだ?」


 楽しそうに話す二人が気になった響介。そんな響介に気が付きふとエリーが響介に駆け寄ると


「え、エリー!?何を」


 響介のシャツをめくり出した。まさかの行動に身体の反応と脳内処理が間に合わない響介


「すごい。お姉ちゃん、お兄ちゃんのお腹すごい」


 エリーが確認したのは響介の腹筋だった。その腹筋は綺麗なシックスパックに割れていて無駄な贅肉もほぼ無い17歳とは思えない見事な腹筋。エリーが目をキラキラ輝かせていると


「でしょー!ホントに凄いのキョウスケの腹筋!それにここの外腹斜筋が」

「待ちなさいライミィ。一体エリーに何を教えた?」

「ほえ?集落の時の話~」

「集落?それってまさか…」

「そ!私達に抱きつかれてどぎまぎしてた話とか、私やお母さん含めてキョウスケのお風呂覗いた時とか」

「待てぇぇぇい!子供に何話してんだ!?」


 流石の響介もこれには怒った。集落の時の事は恥ずかしかった事は…、

「あるよ!男子校の俺からすれば今年から共学になった元女子校に一人ぶちこまれた気分だ!」とは響介談。特に女性に免疫が無かった響介には尚更である。


「え~、だってエリーが教えてっていうからさ~」

「教える内容によるだろ!?ん?ちょっと待ってくれライミィ覗いてたのか?」

「うん!お母さんでしょリリーとリリアンでしょーあとリリスさんにーキキョウさんとベラとーってか集落のみんな全員」

「待て待て待て、全員ってどういう事だ?」


 これには響介は頭を抑えた。それと同時にどうやって覗いた?と考える響介、確かに一度ライミィは覗くどころか一緒に入ろうとしてきた事があり警戒していたのだが


「お風呂場にお人形があったでしょ?操作魔法(マリオネット)が使えるリリスさんがお人形操ってその目を介してみんなで見たのー」

「便利そうな魔法を野郎の覗きに使ったのか!?」

「しょうがないじゃんみんな気になってたんだから、いつもひょいひょい()()ねるキョウスケってどうなんだろうって話になってならリリスさんがお風呂にお人形置いて見てみましょうってなったの!」


 その時を思い出したのかライミィは興奮気味に話を続けた。


「で、もう大盛り上がり!キョウスケの筋肉見てお母さんやリリスさんやビオラさんは惚れ惚れしてたし、リリーとリリアンはキャーキャーしてたし、男性免疫無かったリンドウやメリアなんて興奮のあまり鼻血出してたんだから!」

「それは聞きたくなかったな…」


 こっぱずかしくなり頭を抱えた響介。それはそうだ自分の入浴をそんな手を込んだ方法で覗かれたのは衝撃だったのと


(需要があったのか…?)


 まあ、ラミアは種族柄女性しかいないからライミィ始め4割街に出たことが無いって言ってたから仕方ないかも知れないと思っていると


「ふふふっ」


 エリーが楽しそうに笑っているのを見て


「なんかどうでもいいな、今さら」

「そだね~」


 ニシシと笑うライミィを見て釣られて笑う響介。それを見たエリーは


「お兄ちゃん、お姉ちゃん、いつも仲良し」


 3人でひとしきり笑い合う。それは端から見れば仲の良い兄妹のそれであった。ひとしきり笑った後で


「よーし、じゃあエリーこの間言った魔法のおさらいしよっか!」


「わーい」


 と、言ったライミィにあわせて響介はエリーを膝に乗せた。


「まず魔法には主に属性魔法、補助魔法、回復魔法、妖精魔法とあります。属性魔法は8種類の属性魔法と無属性魔法から成り立ち私も4種類の属性魔法を習得してます」


 そうだなと頷く響介、ライミィは現に火、風、光、雷の属性魔法を習得している。そこでエリーは手を上げて


「お姉ちゃん、属性魔法って誰でも覚えるの?」


「ううん、属性魔法は人の魔力の色、簡単に言うとマナの質が人によって違うの」


「成る程、人によって適性があるのか」


「じゃあお兄ちゃんは?どうやって確かめるの?」


「確かめる方法は魔法の使うイメージを考えながら魔力を高めるの、そうすると魔力の『色』がわかるよ」


「ならやってみよう。エリーいいか?」


 響介はエリーを降ろすと椅子から立ちライミィに指導されながら魔力を高める。すると


「わぁ……!」


エリーは目をキラキラさせた。響介の魔力の色は金色が混じった黄色に輝いていた。それを見たライミィは


「おお~キョウスケ地属性が一番相性良いみたい。それと同じくらいに雷属性に、光属性もあるね~」


「そうなの?」


「うん、キョウスケも魔力高いからだけど相性いいの持ってるとああやって輝くの、あっキョウスケもういいよ~」


 ライミィの言葉を聞いて響介は集中を解く、するとオーラはスッと消えた。


「このように自分の魔力を確認する事が出来ます。次は補助魔法ね。補助はいくつもあって付加、操作、調教、状態、生活等々いっぱいあって一部を除いて自由に取得する事が出来ます。そして他の魔法との違う所は使用者の魔力によって大きく左右される部分ね」


「魔力によって効果量が変わるのか」


「そう、おんなじ(ポイズン)でも魔力が高い人が使えば高い効果が期待出来るね」


「お姉ちゃん、自由に取得出来ないって何があるの?」


「それは錬金魔法。こればっかりは本人のセンスもあるけどエリーの場合は遺伝もあるからもしかしたら適性も高いかもね。次は回復魔法。これは2種類だけで治癒魔法と神聖魔法。治癒魔法は言わずもがなエリーが習得してる魔法で比較的に取得しやすいの、逆に神聖魔法は神官限定になります」


「神官か、あまり良い印象はないな」


「まあ、しょうがないね。神聖魔法は回復魔法だけでなく光属性魔法や付加魔法も使えて便利だけど神官が少ないのが弱い所だね。反対に治癒術士は回復専門って感じで治療や解析、身を守る魔法も出来ます」


「成る程成る程」


「残った妖精魔法だけど、ごめんあんまり分かんないだよね。良く獣人族が使ってるって聞くけど妖精自体人間や魔族を嫌ってるって聞くからあんまり情報がないんだよね~、で」


ここでライミィがこほんと咳払いをして話題を切り替える。


「ここからは私とキョウスケの考察になります」


「考察?」


 どういう事なのか良くわからないと言う風に首を傾げるエリー。するとライミィは自分のステータスボードを開き魔法の項目から『ウインドアロー』を選んだ。


「エリー、ここにちっちゃく何か書いて有るの分かる?」


 見るとそこには小さく何かが書かれておりエリーは読んでみる。


「えっと、223?お姉ちゃん何これ?」


「これは多分私がウインドアローを使った回数だね」


「使った回数?」


「うん、ウインドアローの項目を良く見てね、枝別れしてるの分かる?」


 良く見てみると確かに枝別れしており、片方は100ポイントで習得出来る『エアスマッシュ』で、もう片方はライミィがいつの間にか習得していた『ゲイルマグナム』。


「どういう事?」


「買った色んな魔法の本をキョウスケと読んでたんだけど、このゲイルマグナムは書いてないの、それで響介と話してひょっとしたら使用回数が関係してるんじゃ無いかって思ってるの」


「使用回数?」


「そ、使った回数が一定水準に行くと解放されるんじゃないかなって考えてるの。しかも、その魔法の方がポイントで習得出来る魔法よりも使い易くて強いの」


「もしかして、この間お兄ちゃんが締めた奴が使った『ファイアバースト』と、さっきお姉ちゃんが使った『グレネードボール』?」


「うん、グレネードボールもファイアボールを200回使った時に自動習得したみたいでこの間使ったけど凄かったね」


「主に爆風がな、ファイアボールの爆風を強化したような魔法だったな、本来のファイアボールとはさほど変わらないから判別は難しいだろう」


「しかもファイアボールより指向性も持たせられるから便利だけどね、でも例外もあって今の段階だと生活魔法だね」


「生活魔法って、お兄ちゃんがいつも綺麗にするとき使ってるやつ?」


「そう、キョウスケお願い」


 話しを振られた響介は自分のステータスボードを開き魔法の項目の『クリーニング』を開いた。


「使用回数、335、いっぱい使ってる」


「クリーニングは魔導書にもあるけど汚れを取る魔法なんだけどエリー、キョウスケがクリーニングするとどうなる?」


「えっと、あっ、お洋服ピカピカ、新品みたい」


「そう、汚れだけじゃなく服も新しくなったように綺麗になるの」


「綺麗にするだけでなく段階的に消臭、修繕、今では消毒までついたな」


「多分だけどこんな風に使用回数に気付いてるのってあんまりいないんじゃないかなって思うの」


「それって、いっぱい使えば、色んな魔法を使えるようになるの?エリーも?」


「「勿論」」


そう言って響介は改めてエリーを膝の上に乗せて


「エリーもいっぱいレベル上がったし色々見てみようか」


「うん♪」


 そうして響介とライミィはエリーのスキルツリーを見ながらエリーが何をしたいかを聞きながら仲良くエリーのスキルを割り振っていった。





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