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異世界に来たらピアニストになった俺~しかし面倒事は拳で片付る任侠一家の跡取り息子の見聞録~  作者: みえだ
第3章 商人の国 ~遺跡を探検するピアニスト~
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42話 勉強 ダンジョンに向けての予習と神話の本

響介、銀翼共を締める。




 銀翼(シルバーウィング)の連中を一通り締め上げ意識のあった下っぱ2人の泣き土下座を見てようやく溜飲が下がった響介は辺りを見回しライミィ達を見つけると功掌(こうしょう)を使ってワイヤーアクションのように飛び周囲が驚く中あっと言う間に移動すると


「キョウスケお疲れ様ー」

「お兄ちゃんカッコ良かった」


 ライミィとエリーが抱きついて労ってくれた。


「ああ、2人共ありがとう」


 抱きつかれた響介は周囲を目を気にせず優しく返す、3人にはすごい和やかな雰囲気が漂っているが周囲のアランや冒険者達は響介の豹変っぷりに冷や汗をかいた。すると響介が


「アランさんこれを」


「あ、ああなんだ?サウンドセーバーか?」


 アランにサウンドセーバーを手渡す、それを見てある人間達が気づいた。


「ちょっと!約束が」


 ジュリアだ。しかし響介は


「先に俺達との相互不干渉を破ったのはお前達だろう?ジュリアだったな、ライミィとエリーに言ってたこと、まさか聞こえてないとでも言うつもりか?」


 そう、さっきライミィ達に絡んでいた時にしていた挑発と言っていた事は全部響介に聞こえており、そのような行動も響介のご立腹案件でありそれが理由でトニーを本気でぶん殴ったのは響介だけの秘密である。横でアランがサウンドセーバーを再生しており


「おいジュリア」


 アランのドスの効いた声にビクリと反応するジュリア


「お前、これをまたやったら降格させると忠告したよな?あれから何日経ってると思う?」


「えっ、えっと…」


「それとブライアン、メンフィス、ヴァレリーお前らは何故止めなかった?」


「……一度本当に痛い目を見なければ成長しないと思い黙認しました」

「ジュリアを付け上がらせた自分たちにも責任があります」

「処分は受け入れます~」


 狼狽えるジュリアをよそにブライアン達は身を削ることを覚悟した選択だったようで


「ちょ、ちょっと!」


「…分かった。この件は吟味させてもらうぞ。キョウスケ達もいいか?」


「はい、処分等の問題はそちらに一任します」


「いーいエリー、あいつみたいに簡単に約束を破るような人になっちゃ駄目だよ」

「ん、分かった」

「って事なんでお願いします」


「おう、ありがとよ」


「じゃ、俺達はこれで失礼します」


 そう言うと響介達は訓練場を後にしようとすると


「あ、あれ?キョウスケさん、遺跡には…」


 立ち去ろうとした響介達を呼び止める様にアラベルが声をかけるが


「自分たちは挑むにはまだ勉強不足ですから、下準備をしてから挑みたいと思います」


 そう言い3人は訓練場から出ていく、周りの冒険者達は様々な、特に敬意の目で3人を見送っていたが、ただ恨めしく見ていた者一人を除いて。






 宿へ向かう途中ピーター商会と商店街に寄り買い物をする。その中、本屋でのこと


「お兄ちゃん、何買ってるの?」

「エリー気になるのある?」


「ん?」


 ライミィとエリーが響介が持ってる本が気になって見てみると


『初めてのダンジョン』

『ダンジョンの歩き方』

『新人冒険者に贈る魔物図鑑』

『魔物分布図~マルシャン編~』


 等々の本を始め色々魔物やダンジョンに関する本を何冊も持っておりエリーは興味深そうに見ていた。


「お兄ちゃん、いっぱい買ってる」


「俺は勉強が必要だからな、特にダンジョンはよく分からないから色んな冒険者の意見や視点をみたいし、俺人間以外だと魔獣やドラゴン位しか闘ったこと無いからちゃんと特徴や特性を知っておかないと」


「あっ、キョウスケー後で私にも魔物図鑑貸してー」


「おう、ライミィも本買ってるみたいだが何買ってるんだ?」


 響介とエリーがライミィが持っていた本を見る


『初めてのクオーコ料理』

『世界の料理集』

『新人冒険者に贈る初級魔法』

『魔法とその仕組み』


 料理と魔法の本を中心に他にも何冊持っておりこちらもエリーは興味深そうに見ている。


「お料理の本と魔法の本?」


「そだよ。ウナさんにクオーコ料理のレシピ貰ったんだけどやっぱり色々知りたいからね~、後は魔法の本だけどお母さんからも沢山教わったけどちょっと気になった事があってね」


「そういえばエリーは何買ったんだ?」


 響介とライミィがエリーが持っていた一冊の本が気になり見る、それは絵本の様な表紙で


『大地讃歌』


「大地讃歌?エリーどんな本なの?」


「えっとね、神話のお本。大地の神様のお話、お母さんが読んでくれた」


「大地の神様か」


 神様と聞いて響介は自分をこの世界に連れてきた神様の事を思い出した。前にニューポートで少し調べてみたが神聖王国は五神以外の神様について記されていないのと、五神の記された資料を見たが自分が会った神様と違う様でよくわからなかった。だからエリーが持っていた本は何か惹かれるものがあった。


「帰ったら俺にも読ませてくれないか?」


 神聖王国には大地の神様と言うのは聞かなかった。多分五神以外の神様の情報規制はされていたかもしれない。

 いや、響介はエリーの言う『大地の神様』の事がとても気になっていた。


「お兄ちゃんお姉ちゃん、気になるの?」


「ああ」


「私も気になるー、帰ったら皆で読もっか」


「そうするか」


 こうして様々な本を3人で買い楽しく笑いながら宿に戻るのだった。





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