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142話 献上品 ラミア達からの贈り物

響介、二人目の義母が出来る。




「ごめんなさいね、また迷惑かけてしまって…」


 鴻上家の朝食、今日はオリビアとアリスが作ってくれた朝ご飯に舌鼓を打っているがその中で話題は


「お母さん、ダイジョーブ?」


「ええ大丈夫よエリー、ただ」


「ただ?」


「ちょっとお母さんには刺激が強かったわ…」


 先程の珍事で自分の言った言葉を思い出したようで今更ながら顔を赤面させ恥ずかしくなったアリス。それを見て


「アリスの姐さんもおもろいとこあるんやなぁ」


 笑いながら肉と飯をかき込むすっかり馴染んだ潤樹。その食いっぷりを見て


「ジュンキ君もよく食べるのねぇ、おかわりいるかしら?」


「ああすんませんオリビアの姐さん」


「朝からよく食えるな…」


「そういうネロはちぃとしか食わへんな、ちゃんと食わな背ぇ伸びへんで」


「もう伸びねぇんだよ!それに俺一応半分は吸血鬼ヴァンパイアだから朝弱ぇんだよ!」


 朝からキレのあるキレ突っ込みを潤樹に入れるネロを見てまたも笑い鴻上家の食卓は賑やかに進む。





「おーいキョウスケー!」


 朝食を食べ終えリラックスしていた時屋敷の外から呼ばれる響介。一緒にリビングにいたライミィやエリー達と外に出ると


「あれ?ベラさんどうしましたか?」


 玄関にいたのはベラを始めとした数人のラミアのお姉さん達。側には朝ご飯を食べ日向ぼっこしていたマルコシアスが


アルファよ、この守り人達がアルファに貢物をお持ちしたと申しております』


 マルコシアスがそう話すと響介には疑問が浮かぶ


「貢物?」


「ああ、あたし等が旅してた時に攻略したダンジョンが幾つもあってよ。そこで手に入れたお宝とか有るんだけどあたし等の住む場所のお礼がてらそれらをな、ライミィから教えて貰ったぜ、ミカジメ料ってやつだ」


 笑いながら話すベラと頷くラミア達。その中で黄緑色の髪のラミアが前に出ると


「久しぶりね〜キョウスケ君〜ライミィ〜」


「レマさん、お久しぶりです」

「レマさんだ」


 間延びした喋り方が特徴のラミアの空間魔導師レマだ。レマは懐から見慣れない懐中時計を取り出す、それを見て響介は自分が持っている『賢者の懐中時計』に似ているのを見て鑑定スキルを使って視てみる。



隠者の懐中時計

アイテムランクB

魔法媒体不可

 賢者の懐中時計を元に錬金魔法で量産されたマジックアイテム。生産性を重視した結果デチューンされ専用空間に保存出来るのも2つのみとなり魔法媒体にする事も出来ない。



 要はパチもんかと思う響介。しかし同時に賢者の懐中時計の貴重さもわかった。響介を他所にレマは隠者の懐中時計に収納されていた大きな袋を取り出して響介に渡す。横にいたライミィが


「中見てもいい?」


 中身が気になり今見てもいいか尋ねる。ベラ達は快く快諾してくれると皆で袋を空け中を改める。


驚きの声を上げながら中身を改める事10分


「えっと中身は〜、希少価値の高い魔法金属のミスリルとアダマンタイトにオリハルコン、魔光絹に魔力布、通信カフスにアルケミストキットSが2つにコンバットメイドドレス4着によく分かんない魔導機と色んなマジックアイテム」


「魔導機関係は全部ネロでいいだろ」


「やっりぃ!サンキュー」


「残りは…」


 ライミィの言った色んなマジックアイテムもとい魔法道具アーティファクトを確認する為に響介は鑑定スキルを使う。まずはサンドナックルに似ている手袋を視ると



マナフィスト

アイテムランクA

魔法媒体可

手首に当たる部分に魔法媒体を仕込むことで効率良く魔法を行使する事に成功し砂状の魔石を仕込んでカスタマイズしたナックルグローブ。



 中々優良そうなオープンフィンガーグローブだ。響介は一目見て


「潤樹使うか?」


 迷わず潤樹に差し出す。こっちに来たばかりで丸腰の潤樹は昨日の出入りはエリーの氷属性魔法のアイスナイフで作ったもの、こっちで活動するなら武器は欲しい所だ。


「ええんか若?」


「潤樹の方が俺より上手く出来るだろ。それに俺がそうしたいんだ」


「おおきに、貰っとくわ」


 響介の意向を理解しマナフィストを有り難く受け取る潤樹。響介は次に目についたポーション瓶のような物を視る。



サンカットクリーム

アイテムランクA

太陽の光を遮断する事が出来る乳液状のクリーム。ヴァンパイアを始めとした太陽の光を苦手とした種族の味方で使用すれば夜間と同じポテンシャルを発揮する事が出来る。

尚メンズ用UVカットSPF50+PA++++



 これ最後の一文ただの日焼け止めの説明だろうがと言う突っ込みはさておき


「これはネロだろ」


「助かるわ、マジで」


 響介から受け取るネロはすぐに肌に塗り効力を確かめ始める。吸血鬼ヴァンパイアの血が半分流れているネロには必需品だろう。響介の中ではスキンケアの観点だとライミィ一択だがメンズ用で太陽光対策ならネロになると判断した。次に響介が視たのは一見変哲のないブレスレット



ザックブレスレット

アイテムランクA

魔法媒体不可

ザックワームという魔物の糸と防御魔法のプロテクションを仕込んだ魔法金属ミスリル製ブレスレット。極めて強度の強い糸で糸一本で200Kgの負荷まで耐えられる。



 要は万が一の命綱かと率直に思った響介は見回して


「ステラー、使うか?」

 

「宜しいのですか?」


「ここにいる大抵の奴は空中放り出されても何とかなるから」


「お前らだけだよ!」


 ネロが綺麗に突っ込む中次に視るのはこの中でも一際異彩を放つ真っ白なプラカード



ディールプレート

アイテムランクS

魔法媒体不可

言葉を発することが出来ない魔物や魔法生物に持たせると伝えたい言葉を記してくれ意思疎通が出来るようになるアイテム。



 鑑定結果を伝えると


「エリーが、欲しい」


「これがいいのか?」


「うん、リーゼと、お話し出来る」


 嬉しそうに受け取るとエリーは早速庭先にいたリーゼに持たせ話し始める


「リーゼ?お話し、出来る?」


 エリーの問に反応しディールプレートに文字が


『もちろんでさぁエリーのお嬢!』


「わーい♪」


 若干リーゼの口調に違和感を覚えつつ響介が次に取り出したのは白金に輝く弓



ブリッツシューター

アイテムランクS

魔法媒体可

希少価値の高い魔法金属ミスリルで作られた美しい白金の弓。瞬時に弦を展開可能で射る矢は魔矢実矢遜色なく音速を超える。



「これは私でしょ?」


 皆異議なし、即答気味に頷くと響介はライミィにブリッツシューターを渡す。そんな響介が最後には取って視たのは手甲と脚甲



ネオガントレット・ネオグリープ

アイテムランクS

魔法媒体可

魔法金属であるオリハルコンをふんだんに使用されプロテクションを付加して作られた手甲と脚甲。属性魔力を込めればオリハルコンが反応し防御力を上げる事が出来る。



「これは俺でいいか?今使ってるのがボロボロでさ」


「「いーよー♪」」

「異論ありません」

「ああ」

「ええで」

「「そうね」」


 先の戦いで今まで使っていたシルバーガントレットとシルバーグリープがかなり傷んでいた響介。武具の更新時かなと思っていただけに渡りに船だった。響介達はベラ達にお礼を言う


「ありがとうございました。でもこんなに頂いて良かったんですか?」


「あー気にすんな。あたし等はあたし等で欲しいもん取ってあるから。余りもん渡しただけだよ」


 そう言って笑うベラ達は響介にこんな事を


「でさ〜キョウスケ。一個頼みが」


「何でしょう?」


「あたし等狩りやって食ってただろ?狩りできる場所が欲しいんだ」


「なる程、…!ステラ済まない地図持って来てくれ。マルコシアス」


「はっ!」

『はっ』


 響介に呼ばれ直ぐに側までくる黒鉄の魔狼。マルコシアスに響介はステラが持って来た地図を広げると皆が覗き込んだ。


「マルコシアス、この世界樹の森とエルフ達と獣人族のテリトリーの間にある草原地帯を肉が美味い魔獣が出る森に変えられるか?」


『はっ、可能で御座います』


「食いたい肉ー、ネロー」


「俺ボアがいい」


「じゃあゴールドボアは?」


『可能で御座います』


「あと肉ー、オリビアさん」


「ウイングオックスなんてどうかしら?食べる所いっぱいあるわよ。角も鏃に出来るし」


「マルコー、出来るー?」


『問題ありませぬ巫女殿』


「ウイングオックスってなんや若?」


「鶏肉と牛肉の部位持ってるうちの組の奴らが聞いたら乱獲が始まる魔物」


「そんなんおんのか!?」


 そうしてマルコシアスの力によって世界樹の森東側に新たな森通称『狩りの森』が誕生し、次回からラミア達のミカジメ料は肉となり喜ぶ鴻上組だった。




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