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異世界に来たらピアニストになった俺~しかし面倒事は拳で片付る任侠一家の跡取り息子の見聞録~  作者: みえだ
第2章 神聖王国 ~ピアニストと駆け出し勇者達~
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10話 到着! 商業貿易都市

響介とライミィ、街に着く!




響介とライミィが集落から旅立った10日後、


「街に着いたぞ!」


「いやー、長かったね!キョウスケ!」


 2人がたどり着いのは神聖王国オウレオールの玄関口に当たる商業貿易都市『ニューポート』。ここは隣接する他の人族国家のアルス共和国とマルシャン公国との貿易が盛んな街であり。街は活気に満ちていた。


「ライミィ」


「うん。判ってるよキョウスケ」


 穏やかな顔でライミィは響介が何を言いたいか直ぐに察した。そして


「「この国追い剥ぎ多過ぎだろ!?(でしょ!?)」」


ハモった。これはいさ仕方なし。と言うのも


「何で10日中7回襲われなきゃなんねぇんだよ!?治安悪過ぎだろうが!?」


「何?せっかくのキョウスケとの二人旅なのに邪魔して来て?もっと魔法撃ち込めば良かった……!」


 そう、2人は森を抜けた後の1週間程は全てで追い剥ぎや盗賊と遭遇していた。後の2日程はライミィにも隠密スキルを習得してもらって事なきを得たがそれでも昼夜問わず戦闘になった。


「まあでも、その分武器取り上げたから二束三文にはなるだろ」


と、響介が取り出したのは合計100本近い剣や短剣、斧や杖や槍等の武器、全て追い剥ぎ共をしめた戦利品である。ちなみに矢はライミィが使うので全部回収。追い剥ぎ共はしめた後正座させてこんこんと説教した後土下座させて釈放した。


「だね、私も新しい魔法の試し撃ちには丁度良かったし、キョウスケもスキルや新しい気功試せたもんね」


 それには響介も同意する。ライミィが持ってる暗視能力、自分も持てないものかとスキルツリーを見てたら100ポイントで取得出来たので習得することにした。ぶっちゃけ便利過ぎる。これなら明かりが無くても2人で行動する分は問題がないからだ。と考えているそんなところへ


「お2人さん!この街は初めてかい?」


 丁度この街に着いた商人のおっちゃんが2人に声をかけてきた。


「はい。貴方は何度もこの街に?」


「ああ、ここは旅人も冒険者も集まるからな。商売にはもってこいの街よ!」


「成る程、つかぬこと聞きたいんですが賞金首の引き渡しとかって何処でやるかも知ってますか?」


「ん?なんでそんなの聞くんだ?」


「他にも仲間がいてね。そいつらが賞金首を連れてるもんだからとこの街では何処でつき出せばいいか先に見に来たんです」


 勿論嘘だ。正直言うと何があるか分からない故にそれっぽく言ってみる。


「そうかい!賞金首なら冒険者ギルドで引き渡せば大丈夫だ!じゃあ俺は行くぞ」


「ありがとうございます」

「ありがとう!」


 商人にお礼を言い2人は冒険者ギルドに向かう事にするが


「ライミィ」


「うん」


 2人は手を繋ぎ観光がてら行くことに、初めての街だ。お互い迷子にならないようにしないと、ということでの対応策だ。端から見ればただの仲良しカップルなのは言うまでもない。

 2人で露天やお店を見ながら10分後。ようやく冒険者ギルドに着いた。外見的にも立派で大体4階位ありそうな建物。響介は路地に入って懐中時計からマクルスの遺体の入った袋を出し、懐中時計の登録を解除してから担いで中に入っていった。


「結構人いるんだな」


 中に入って意外な人の多さに驚く2人。どうやら中は冒険者ギルドと食事処が一緒になっているようで多くの冒険者がいた。遺体担いで突っ立ってるのも邪魔なので受付に行くことに


「すいません。ここが冒険者ギルドでよろしかったでしょうか?」


 ライミィが確認を取るために受付へ、対応したのは眼鏡をかけた壮年の男性だった。


「はい、そうですよ。見慣れない方達ですが冒険者希望ですか?」


「えっと」


ライミィは手配書を出して説明する。


「このマクルスって人を仕留めて来たので賞金下さい」


ライミィのこの言葉でギルドスタッフは騒然とした。


「なんですって!?仕留めた!?」


「はい。キョウスケー」


「これが仏さんの遺体になります。ご確認を」


 響介はギルドスタッフに遺体を引き渡し、スタッフが奥で確認すること2分。すると責任者らしき凛とした女性が出て来て2人は奥へ案内される。

 奥の部屋に入ると金貨3000枚があり響介は鑑定スキルを使うと全て本物だと確認出来た。その金貨達は目の前で袋に入れられ


「この度はご協力ありがとうございます。私は当ギルド所長を務めてますクリスと申します。此方が賞金の金貨3000枚になります」


「ありがとうございます」


 響介は金貨袋を受け取り見られないように懐中時計で金貨袋を登録し収納した。


「見た所旅人のようですが冒険者の方ですか?」


「いえ、旅のピアニストです」


「はあ」


 クリス所長は困惑する。無理はないが響介は気にせずクリス所長に質問をする事に。


「申し訳ありませんが、武器や素材を売りたいのですが良い所ってありますか?」


「売る、ですか?」


響介の質問にポカンとするクリス所長。


「ここに来る途中追い剥ぎ共に襲われたので返り討ちにして武器を取り上げたんです。それで思ったより数が多くて」


「ああ、成る程。ん?返り討ちにですか?」


「ええ」


「あの、冒険者になるつもりはありますか!?」


身を乗り出して響介達に詰め寄るクリス所長。しかし


「いえ、ありませんね。それよりさっきの質問を」


ドン引きした響介に一蹴されたのだった。


「あっ、ごめんなさいね。つい職業柄で、それならギルドを出て右手に行って貰うと中央広場に着きます。そこにある『ピーター商会』と言う店がありますからそこに持っていって貰うといいですよ」


「ピーター商会?」


 ライミィは頭にクエスチョンマークを浮かべて首を傾げる。


「人族国家最大手の商会です。マルシャン公国発祥の商会で信頼性は確かです」


「分かりました。ご丁寧にありがとうございます」


「ありがとうございます!」


 2人はクリス所長にお礼を言い部屋を出る。そしてクリス所長は


「なんとしてもあの2人、勧誘出来ないかしら?滅茶苦茶有望な人材の匂いがプンプンするわ……!」


嬉々とした表情で独り言を溢すのだった。






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