97話 エリー編 重力と氷風とともに
ライミィ、十闘将の2人を標本にする。
「~♪」
エリーはクリエイトゴーレムを唱えてアイスナイフで出来た氷を使って使魔を作る。作ったのは
「氷の、鳥さん」
氷の鳥さん。だってゴーレムは一つしか出来ないけど鳥さんは4つ出来る。ウルフよりお得。
エリーはそれを使っていっぱい氷の鳥さんを作って
「ウラー!」
エリーがそう言うと鳥さん達は翼の生えた魔族達に突撃する。鳥さん達はみんな一直線に魔族達に襲い掛かって、ううんぶつかっていって
「くそっ!」
「落ち着け!落ち着いて避ければ」
「!?しまった!翼が!」
「うわぁ!助けてくれぇ!」
お空を飛んでる魔族に氷の鳥さんがぶつかった所がナイフみたいに刺さって凍ってく。それが翼だったら飛べなくなっちゃった何人の魔族達がお空から墜ちてった。エリーが作った氷の鳥さんは相手の熱を感知するようにクリエイトゴーレムの時に調整してる。
なんでって?鳥さんは胸の筋肉が発達してるってお兄ちゃんが言ってた。それに発達してる所は熱が高いってお姉ちゃんが言ってたの。だから
それに下手に避けようとするとさっきみたいに翼に当たるの
「なんだ!?この鳥…!」
「それよりも何をしている!?相手はダークエルフの小娘たった一人、さっさと殺さんか!」
「吹き飛ばせ!」
そう言って向こうはエリーに風属性魔法を唱えてエリーを吹き飛ばそうとしてきた。でも
「無駄」
無駄の一言。だってエリーは飛んでるんじゃなくて『浮いてる』んだもん。乗ってる杖に重力をかけて重力を操作して浮いてる、だから風属性魔法で吹き飛ばそうとしたけど意味無い。だって重力で重力操作して打ち消したから。エリーは器用に杖の重力を操作して進みながら魔族達の後ろに
「フロストタワー」
フロストタワーを唱えた、フロストタワーはでっかい氷の塊を作る魔法。でも空中で作るから直ぐに墜ちちゃう。だからすかさず
「エアプレッシャー」
さっき作ったフロストタワーを力場に設定してエアプレッシャーを使うの、するとね
「な、なんだ!?」
「ひっ、引っ張られる?!」
「うわぁぁ!?」
残ってた飛んでる魔族達はみんな墜ちてくフロストタワーに引き寄せられてくっついた。そうしたらすぐガシャン!って音がしたから多分やっつけた。エリーは辺りを見渡して
「ここ、エリー、適任」
エリーがあの転送魔法で来たのはホークロウってのが逃げた先のこのお山。
びっくりした。エリーが転送された時、お空だったから。墜ちながら治癒術師の杖に重力をかけて浮くことを思い付いてエリーはお空にいる。案外浮きながら戦えた。エリーは魔法を同時に5つ迄使えるから大丈夫。
ここにいるホークロウは鳥の魔族でその手下も鳥の魔族で飛んでるらしい。ホークロウの他にもコンコードってのもいるってネロが言ってたけど
「…」
どうでもいい。
エリーは殺されたあの名前も知らないお母さんとエリーより小さい女の子の姿が過った。昔の事を少し思い出したから。
「仁義を持って、仁義を成せ、外道には鉄槌を」
お兄ちゃんが言ってた。ヒトとして大切にして守らないといけない『道』があるって。
最後まで手を繋いでいたあの親子は仲良く暮らしてただけ、でも突然奪われた。
「許さない」
あいつらは一緒だ。あの時エリーとお母さんを襲ったエルフの奴らと同じ臭いがした。お兄ちゃんは世の中には救いようがない外道ってのがいるって言ってた。まさにあんな臭いの
「外道相手、遠慮は、ないよ」
そう言ってエリーが進んでいると何かが急に下から近付いてきた。ううん突っ込んで来たの
「シャッはぁーーーー!」
危ない危ない。まるで突風みたいに体当たりをしてきたのは鳥の魔族の鳥の人獣族。その魔族はでっかい嘴が目立って首のとこが襟巻きトカゲみたいな感じで毛が生えてる魔族で腕を組んで翼を羽ばたかせながらエリーを睨んできた。
「てめぇか!ホークロウ様の部隊にちょっかい入れたガキは!」
「…」
なんか言ってきたけどよくわかんなかった。だって
「ああん!?どうしたガキ!この十闘将最速のコンコード様を前にビビったかぁ?」
「ツルツル」
「ああ?」
「頭、ツルツル。スキンホークみたい」
エリー聞いてなかった。あいつの頭がツルツルで、それを見たらいつぞやお姉ちゃんを攻撃した神官がお兄ちゃんにお仕置きされてツルツルになってたのを思い出したから
「こんガキが、随分と余裕ぶっこいてるじゃねぇか…!」
「お兄ちゃんが言ってた」
「はあ?」
「おしゃべりな奴、大したことない」
お兄ちゃん言ってた。あーゆーのはイキリって、イキリって言葉エリー知ってる「格好つけてる、調子に乗ってる、イライラする、尚且つキショイを合わせた言葉」って、見た目合わせてあいつにぴったり。そしたら
「このガキが!鳥の餌にしてやる!!」
そう言ってエリーにまた突っ込んできた。嘴を前にだして勢い任せで突いてくるみたい。
「よっ、と、はっ、と」
エリーは杖にかけた重力を操作して器用に何度も避ける。すると
「ちょこまかとうっとおしい!!」
するとあいつは風属性魔法のフェーンを唱えて攻撃してきた。あの突っ込みながら詠唱なんて器用、でも
「フロストタワー」
すかさずエリーはフロストタワーに同時に詠唱した重力を使って浮かせて風避けにする。影に隠れながらエリーは別の魔法を唱えていたその瞬間
「かかったな!アホがぁ!!」
あいつがフェーンの突風の勢いを生かしてフロストタワーごとエリーを狙ってきた。嘴がフロストタワーにぶつかり激しい音が空に響いた瞬間
ピシッ
フロストタワーに亀裂が走る。あいつの嘴がフロストタワーを貫通して割れて、そこから覗いたあいつの目がエリーと合う。エリーを見たあいつは目元をニヤリと笑わせてエリーを見たけど
「作戦せーこー。かかったなあほがー」
「っ!?」
そっくりそのまま返す。すると直ぐに効果が出た
「なっ…!?お、俺の嘴が!溶ける!?」
「硫酸。フロストタワーの中に仕込んでた。フロストタワーが割れると硫酸出る」
あいつがフェーンを使った時点でこうしようと決めてたから
あいつは距離を取ろうとしたけど逃がさない。エリーは急かさず固着を掛けてあいつをフロストタワーに固着させて動けなくして錬金魔法の
「クリエイトアイテム」
フロストタワーを媒体にしてクリエイトアイテムを使った。氷をたちまち棺みたいに変化させて
「なっ…」
あっという間に棺の中にあいつを閉じ込めた。これは元々氷属性魔法のレベル8のポイント取得魔法「アイスコフィン」って魔法を参考にしたの。相手を氷の棺に閉じ込めるとこまでは一緒、でもアイスコフィンはその後相手ごと砕けるけどエリーのクリエイトアイテムで作った棺はそんなの出来ない。だから
「お仕舞い」
アイスナイフを詠唱して棺に突き刺した。アイスナイフは氷のナイフを作って飛ばす魔法。それで動けないあいつを棺ごと貫く。そうすれば棺が発し続ける強い冷気とアイスナイフが刺さったとこが凍るからあいつの熱を奪える。
身体の芯から冷え冷え
「いくら速くても、動けないと、意味、無いよ?」
そうしてやっつけた時
「!」
後ろから魔力を帯びた何かが来たからフロストタワーを唱えて身を守る。フロストタワーに当たったのは
「羽?」
鳥さんの羽だった。けど一本一本に魔力を感じる。エリーが考えてると
「また…!」
後ろから羽が飛んできたからフロストタワーの反対側に回って避けた。攻撃が止んだからエリーはフロストタワーにかかってた重力を解除して地上に落としとく、何か嫌な予感がしたから
「全く、コンコードの奴こんなひよっ子に遅れを取るとは……!」
現れたのは偉そうな鳥の人獣族。ホークがヒトになったようなちっちゃいおじさんで、軍人さんみたいな服に片っ方しかない眼鏡みたいのしてる。
「ダークエルフのひよっ子が、よくも私ホークロウの部隊を滅茶苦茶にしてくれたな!このお礼はしっかりと取らせてもらうぞ!!」
そしたら「目標捕捉!5分以内に撃破する!」って言ってさっき見たいに羽を飛ばして攻撃してきた。エリーは避けてある魔法を詠唱して試す。するとおじさんは魔法を詠唱して
「ダブルサイクロン!」
その魔法知ってる。お姉ちゃんも使ってた。でもお姉ちゃんのと違って精度が良くない。でもそれは囮で避けた先に羽が飛んできた。
「ほう、ひよっ子が良くかわせたものだ」
避けたエリーを見てなんだか偉そうに言うおじさん。でも
「おじさんは、わかんなかったね?」
おじさんの後ろに来てエリーはおじさんに語りかけた
「は?なっ!?いつの間に!?」
「もう、手遅れ」
「何っ!?」
空間魔法のレベルを上げて覚えたかけたヒトのスピードを上げる『ヘイスト』と逆に下げる『スロウ』。
それぞれ便利。でもエリー考えたの、いっぺんにかけたらもっと便利って。ヘイストとスロウを同時にかけたの、だからエリーのスピードが速くておじさんのスピードが遅くなる。
「名付けてバランスタイム」
おじさんはエリーのスピードについてこれなくて戸惑ってる。それが
「命とり、バイバイ」
「がっ…」
エリーはアイスナイフを詠唱してそのアイスナイフをクリエイトアイテムでいっぱい増やしてテレポートでいろんなところから飛ばしておじさんを攻撃した。突き刺さった沢山のアイスナイフは直ぐにおじさんを氷付けにして終わった。その時
「ん?」
下を見るとなんか燃えてた。その燃えてる炎を見てると
「あっ、お姉ちゃんの魔法だ」
魔法を感知したらお姉ちゃんの炎属性魔法だ。エリーはやっつけた氷付けのおじさん達を重力で操作して。燃えてる場所へ向かった。