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エッセイ

ヤバイやつ 第2弾

作者: まっつー

 

 俺の近所には、小さな神社がある。

 高校生の時、その神社の賽銭箱に一万円を入れて、何か良いことがありますように、と願ったことがあった。

 そしたら、次の日にクラスの可愛い子に告白された。


 俺はそれ以来、週一でお参りするようにしている。

 神様なんて信じていないが、この神社は信じている。


 そんな俺が、いつものように神社に来ると、賽銭箱の前に小さな少女がいた。

 その少女は、両手に大きな箱を持ち、中から何かを取り出そうとしている。


 俺がその様子を木の影から見ていると。

 少女は、箱の中に手を突っ込み、何かを掴んで引っ張りだした。

 それは、間違いなく"ヘビ"だ。


 少女はその"ヘビ"を鷲掴みにして振りかぶると、賽銭箱の中に投げ入れた。


「ッッ!!」


 賽銭箱を見下ろし、したり顔をしている少女。


「フフフ、お金を入れようとしたら、噛まれるんだわ」


 少女は謎の言葉を残して、どこかへ走り去って行ってしまった。


「・・・・・・」


 俺は唖然として、少女が消えた場所を見続けていた。



 ~#~#~#~#~#~#~#~#~#~#~#~



 子供は帰りましょう♪とあの鐘が鳴る時間帯。


 俺は仕事を早めに切り上げて、帰宅していた。

 電車内でウトウトしているとそれに気付いた。


 俺の視線の先には、背の高い男に痴漢されている女子高生が。

 間違いなく男の手が、女子高生の尻を撫でている。


 俺が警察に付きだそうと、席を立とうとしたとき男の顔が見えた。


 それは、今話題のイケメン俳優○○だった。


「ま、まじか・・・」


 俺がどうするかと思っていると。


「痴漢です!」


 そう言って、男の腕を握り、振り返る女子高生。

 だが、男の顔を見ると、怒っていた女子高生の顔が瞬時に乙女のそれに。


「ま、ままま、○○くん?うそー、本物?握手してください!」




「・・・・・・顔か。顔は正義なのか」




 ~#~#~#~#~#~#~#~#~#~#~#~



 休日。俺は、ちょっとした一人旅をしていた。

 旅と言っても、隣の県まで遊びにきただけだが。


 俺は、ホテルにチェックインし、荷物を置くと近くの道へ散歩に出かけた。


「この辺は、空気が澄んでるな~。ん~、良い匂いもする」


 俺はブラブラと道を歩いていると。


「この!こんちくしょうめ!死ね!」


 気分を害するような言葉を吐き、道路を力一杯踏んづけている少年が。


 蝶ネクタイをして、いかにもな制服を着ている。

 どこのお坊ちゃんだよ、と突っ込みたくなる服装だ。


 その坊ちゃんは、未だに道路と格闘している。


「なにやってんだ?道路に恨みでもあるのか?」


 俺が何気なくそう聞くと。


「はぁ?違うよ!僕の前に"アリ"が横切ったんだよ!"アリ"如きが!」


 そう言って、よく見ると"アリ"を原型留めなくなるまで踏み潰している少年。


「・・・・・・」


 俺は一切合切見なかったことにした。





連載中のハイファンタジー作品も、もしよろしければお読みください。

ではでは。

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