ヤバイやつ 第2弾
俺の近所には、小さな神社がある。
高校生の時、その神社の賽銭箱に一万円を入れて、何か良いことがありますように、と願ったことがあった。
そしたら、次の日にクラスの可愛い子に告白された。
俺はそれ以来、週一でお参りするようにしている。
神様なんて信じていないが、この神社は信じている。
そんな俺が、いつものように神社に来ると、賽銭箱の前に小さな少女がいた。
その少女は、両手に大きな箱を持ち、中から何かを取り出そうとしている。
俺がその様子を木の影から見ていると。
少女は、箱の中に手を突っ込み、何かを掴んで引っ張りだした。
それは、間違いなく"ヘビ"だ。
少女はその"ヘビ"を鷲掴みにして振りかぶると、賽銭箱の中に投げ入れた。
「ッッ!!」
賽銭箱を見下ろし、したり顔をしている少女。
「フフフ、お金を入れようとしたら、噛まれるんだわ」
少女は謎の言葉を残して、どこかへ走り去って行ってしまった。
「・・・・・・」
俺は唖然として、少女が消えた場所を見続けていた。
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子供は帰りましょう♪とあの鐘が鳴る時間帯。
俺は仕事を早めに切り上げて、帰宅していた。
電車内でウトウトしているとそれに気付いた。
俺の視線の先には、背の高い男に痴漢されている女子高生が。
間違いなく男の手が、女子高生の尻を撫でている。
俺が警察に付きだそうと、席を立とうとしたとき男の顔が見えた。
それは、今話題のイケメン俳優○○だった。
「ま、まじか・・・」
俺がどうするかと思っていると。
「痴漢です!」
そう言って、男の腕を握り、振り返る女子高生。
だが、男の顔を見ると、怒っていた女子高生の顔が瞬時に乙女のそれに。
「ま、ままま、○○くん?うそー、本物?握手してください!」
「・・・・・・顔か。顔は正義なのか」
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休日。俺は、ちょっとした一人旅をしていた。
旅と言っても、隣の県まで遊びにきただけだが。
俺は、ホテルにチェックインし、荷物を置くと近くの道へ散歩に出かけた。
「この辺は、空気が澄んでるな~。ん~、良い匂いもする」
俺はブラブラと道を歩いていると。
「この!こんちくしょうめ!死ね!」
気分を害するような言葉を吐き、道路を力一杯踏んづけている少年が。
蝶ネクタイをして、いかにもな制服を着ている。
どこのお坊ちゃんだよ、と突っ込みたくなる服装だ。
その坊ちゃんは、未だに道路と格闘している。
「なにやってんだ?道路に恨みでもあるのか?」
俺が何気なくそう聞くと。
「はぁ?違うよ!僕の前に"アリ"が横切ったんだよ!"アリ"如きが!」
そう言って、よく見ると"アリ"を原型留めなくなるまで踏み潰している少年。
「・・・・・・」
俺は一切合切見なかったことにした。
連載中のハイファンタジー作品も、もしよろしければお読みください。
ではでは。