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プロローグ

楽しんでもらえるよう頑張ります!

 温かい日の光が木々の間を通り抜けて木でできた簡素な小屋の庭を照らす。その日の中には年齢は6歳ほどで、美しい赤毛と蒼く輝く瞳をもつ少年と、少年と同じ赤毛と青眼を持った、体格の良い30後半に見える男が木製の椅子に腰掛けていた。ただしその男には右足と左腕がなく、左目に大きな古傷が刻まれており、決してまともに生きてきたとは思えない風貌を醸し出していた。しかし、少年は全く怯む様子もなく純粋な笑顔を向け、いつものように話しかける。



「おじさん!とうさんとかあさんの話!して!」



「おぉまたかぁ、仕方ねぇなぁ…ほらそこ座れ」



「うん!」



 少年は近くにあった椅子を寄せ、少しまだ高いその椅子に勢いをつけて飛び乗り、おじさんの方に向き直る。するとおじさんが、少年にとってはいつもの前置きを語り始める。



「兄貴や俺やお前はな?勇者の血を引いてるんだ。勇者の血を引く者は『勇者の力』を持って、その力で人々を魔物や敵対する亜人から守って暮らしている。勇者の血筋を持つ家は今は3つで、俺たち『ベリー家』と『フェイヴン家』と『キャッティー家』があるんだ。『ベリー家』は『ライグランド共栄国』、『フェイブン家』は『パーキソン人民帝国』にそれぞれ仕えてて、『キャッティー家』は傭兵の一族として知られてる…。前置きが長くなったな…本題に入るか、兄貴はなーーーーーーーー」



 これから本題というところで全体が白く染まり、過去を見た夢から現実へ、現在の自分へ引き戻される。過去とは不変であり、故にとても尊いものだ。人は過去を美しみ、未来を嘆く。しかし進む道は一つしかなく、振り返ることはできても後戻りはできない。もがき苦しみ、何かを失いながらも何かを得るために未来に続く一本道を走り続けるのだ。


 これはとある訳あり勇者が過去を知るための物語。過去を知った先に何を求めるのか、何が残るのか、それはいずれ歴史になり、語られる。しかし、どれだけ壮大な道を歩もうとも、何が彼を阻もうとも、全ては知るために。そうつまり、訳あり勇者はただ知りたいだけなのである。

これからですよー!

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