学校へ
その翌日朝起きると書類が置いてあった。父さんが学校の書類を書いてくれたのだろう。
「それじゃあいくかな・・・」とパンを加えてが家を出る。
「あ、星くん!おはよ~」と百合さんが挨拶してくれる。
「おはようございます」と頭を下げると頭をなでられた。
「あ、あの?」と戸惑っていると
「ああ、よくうちの子によくやってるからね、つい癖で」と笑いながら家を見た。
するとカーテンが揺れた。百合さんは少し苦笑いして
「今日はそこまでの気分じゃないみたい」といって僕に振り向く。
「この学校に通ってるんですか?」
「うん、今年入った新入生なんだけどちょっと失敗しっちゃってね」と箒を持つ。
「それじゃあ学校頑張ってね」と言われたので
「ありがとうございます、それでは」と去っていった。
学校までは歩いて15分ほどで着くらしいのだが迷ってしまった。
「このままだと学校いけないぞ・・・てか、何で山を横切るんだ・・・」と愚痴をこぼしながら歩いていると昨日の少女が足を引きずりながら森を横切っていた。
そこを追いかけようとするとこちらに気付いたのか早足になり逃げていく。
「待って!」というが少女は足を止めない。山道になれていないため思い通りに進めない。
すると少女は少し足を止めて棒を拾ってすぐに歩いて行ってしまった。
その地点に地面に書かれていたのはきれいな文字で
「ここの奥を進めば学校が見える」と書いてあった。
僕はそのまま少女が奥に向かった道を進んでいくと道が開けて学校が見えた。
「ほんとだ」と言いながら学校に向かって歩きながらあの子にありがとうと感謝をした。
学校の中に入ると職員の人が待っていてくれた。
「おはよう!白澤くん」と熱血教師が迎えてくれた。この手の人間は少し苦手なところがある。昔もこの手の教師に何度も絡まれてニコニコ笑ってるのがつらくなってしまったということがあるからあんまり絡んでこない人だといいな。
「うん?どうした?」となにもしゃべらない俺に不安を覚えて心配してくる。
「ああ、すいません。ぼーとしてしまいました。白澤 星ですこれからよろしくお願いします」とお決まりの言葉を言いながら笑みを浮かべる。
「・・・まあいい。俺は君のクラスの滝沢だ。それじゃあ白澤、俺についてきてくれ」と校舎に入っていく。
俺はまだ新品の上履きを取り出し履く。新品なので硬くて少し履きづらかった。
「・・・白澤、気になったのだがさっきの笑顔はやめたほうがいいぞ」と言われドキッとした。
「お前の作り笑いはわかりやすいな、そんなんじゃすぐわかるぞ?」と言われすごく反応しづらかった。
「うち学校の生徒は人との距離が近いからな、心から笑えないなら笑わなくていいそのほうがあいつらもお前のことを理解してくれるはずだ。」と職員室に入っていく。
「おはようございます、失礼します」と言って入ると教師が5人いるだけだった。本州の学校では十桁の先生がいたので少しおどろいていた。
「それじゃあ白澤、右から結城先生、筧先生、田中先生、木城先生だ。」と全員頭を下げてきた。
「人数は少ないがその分覚えやすいだろ?」と言われ首を縦に振る。
「校長は少し本土に出かけてるけどすぐにわかるはずだから」と名簿を持って滝沢先生は職員室を出る。僕も職員室を出るときに頭を下げながら出る。
「まあ・・・本土の学校と違うのはここの島の住人は他人との距離を縮めようとするから積極的に人間関係を深めようとするところだ。良くも悪くもこの島の奴らはそんなやつばかりだ」
「なんでそんなに人との距離が近いのですか?」
「ここの住人は本土に行かないやつが多い、だからこの島で暮らしてうえでこうして人間関係を深めたほうがいいだろ?」
「僕にはまだ理解できません」
「お前はいろいろな学校を転々としていてわからないかもしれないが一つの場所にとどまっているとそうなるんだ。」と教室の前で止まる。
「ここがお前の教室だ。」と札には2年次と書いてある。
「お前ら~せきつけ~」と言われると中からたくさんの声が聞こえる。
「それじゃあ新しい仲間を紹介する~白澤はいれ~」と言われたので中に入る。
「男だったか~」「けど本州の人なんでしょ?」「本州か~どんなところなのか聞きたい」とか様々な反応だった。
「初めまして、白澤 星です。これからお世話になります」と頭を下げる。そして頭を上げるとあの時の少女と目が合った。だがすぐにそっぽを向かれてしまった。
「それじゃあ白澤はあそこの席に座れ」と指を刺された。そこは窓際の一番奥だった。僕はうなずきその席に座った。
「それじゃあ授業を始めるぞ」と授業を受けた。