表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私の素敵な束縛彼氏!

作者: ei

フィクションです。

ギャグフィクションです。

軽い話です。

【今日は早く帰ってきてね。お祝いしよう。】


隼斗君からのメールにわかった、七時までには帰るね。と返事する。付き合って本日で2周年。絶賛同棲中の彼氏様である。


女の私でも忘れてるような記念日も隼斗君は忘れたことがない。私が今日なんの日だっけ?と聞いても怒ったこともない。ちなみに、そういうのは女の方が覚えておくものだ、というのは私の偏見である。


「りぃはどう思う?」


目の前に座る友人、美咲に急に呼ばれて慌てて顔を上げる。さっきまで私の隣に座る、雪ちゃんと話しこんでたから油断してた。ちなみに私のは名前は三鷹梨沙。あだ名はりぃ。


「ごめん、なんだっけ??」


二人の友達は同時にため息をつく。


「束縛だよ束縛〜。束縛してくる男ってなくない?」


この短時間に束縛って三回言った。

私は隼斗君が初彼でそれ以前は恋人いない歴19年を堂々と名乗っていたからいまだに色恋ざたには疎いところがある。

束縛という単語も知ってはいてもどんなものなのかは知らない。それを素直に口にした。


「例えば〜ほかの男と喋らないでって言われたり〜」


付き合ってすぐ、喋る必要がないよね、と説得されたことはある。

1時間ほど説明されて納得してしまった。


「携帯見たがったりー」


見して、と言われたら見せる。

友達少ないしアプリもそんなにいれてないから見て楽しいものでもないと思うけど。


「友達と遊びに行くと居場所とか誰といるか聞きたがったり!」


迷子になるといけないから、とGPSをつけられたし、たぶん居場所はいつも知ってる。

実際何度か迷子になって助けてもらった。



あれ、もしかして隼斗君は束縛彼氏なのか?



「うざくなーい?そういう男。」


「隼斗君、全部当てはまるけど特にうざくはないかな……」


そういうとあからさまに目をひんむかせて食いついてきた。


「りぃの彼氏って付き合って長いよね?!あったことないけど同棲してるんでしょ?!なのにそくばっきーなの?!辛くね?!」


そくばっきー?!なんだその単語!ちょっとわかるように説明して?!あと勢いすごいね!


「てか束縛って信じられてないみたいで嫌じゃない?」


雪ちゃんの言葉に考え込む。

うーん。隼斗君の場合は信じてないって言うよりも………


「梨沙のすべてを知っていたいからね」


え?幻聴?


振り返ると隼斗君。

ホラーか。待ちきれなくて迎えに来ちゃった、と爽やかに微笑んでなければぞっとした。


美咲と雪ちゃんは頬を赤く染めてぽかんとしている。


そうだろう、そうだろう。

なんてたって美男子。

初めて見たときジョニーズ事務所の人かと思った。


二人に別れを告げて帰途につく。




「隼斗君って束縛彼氏?」


隼斗君は心外そうに肩まゆをあげた。


「別に縛ってはないよ。梨沙がどうしても嫌ならやめるし。」


うーん。と考えてみたけど別に嫌ってほどでもないと思う。そう言ったらほっとした顔でよかった、と言った。隼斗君がそうしたいならそれでいいや。


「それにしてもいいタイミングで来たね〜びっくりしたよ。」


「盗聴してたら雲行きが怪しくなってきたからね、急いで行ったよ。」


「え?」


「梨沙は素直だから洗脳されやすいし、会話にも気を使っとかないとね。」


「え?」


この人盗聴って言いました?前言撤回。是が非でもやめてもらいたい。

おまわりさんここですよ。


半目で隼斗君を見ると照れたように微笑まれた。

誤魔化すな!そんな可愛い顔されたら絆されてしまう!


うーーーーっとうなっていると美咲からメールが来た。私は某トークアプリを使ってないので全部メールだ。


「美咲が、どこであんないい男捕まえたのよー!このラッキーガール!明日話きかせて〜。だってさ。」


美咲からだったし、隼斗君のことだったからニヤニヤしながら教えてあげる。


「逆じゃない?」


「ん?」


「俺の方がラッキーボーイだよ。好きになった人がこんなに俺を丸々受け止めてくれて。普通の女の子なら嫌になってるよ。梨沙が鈍感で単純であんまり深く考えない性格で助かった。」


「…………」


褒めてます?それ褒めてるつもりですか??

びっくりしました。さすがの私も気づきますよ!

あなたあれでしょ、無神経ってやつでしょう!


つないでいた手をぶんぶんと大きく振って抗議してみる。


隼斗君は楽しそうにもっと大きく振る。


痛い痛いもげるもげる。

何だこの人!


「束縛するのはね、浮気が心配なんじゃなくて俺以外みてほしくないから。」



そうはいうけど、隼斗君以外なんか見たこともないしみられたこともない。

私には19年彼氏なしだったという実績もあるのだ。その別に誇れもしない実績を崩したのはほかならない隼斗君なわけだし。


浮気しようにも相手がいないし、浮気願望もない。


「ねぇ梨沙。2周年だね。」


「2周年だねー。もう21だよ!来年就活だー。」


いやでも将来を考えてしまう時期だ。

隼斗君はひとつ上で、もうとっくに就職先は決まったみたい。


「梨沙ー。三周年は結婚記念日にする?」


「いいねー。………………………え?」


え?今のプロポーズ?

軽くないですか?!そんな、明日のおかずはハンバーグにする?みたいなテンションでプロポーズ?!




「好きだよ。来年もよろしくね」


ちゅっ、と軽く唇を奪っていく隼斗君。


やっぱり、束縛されてても私にとっては素敵な彼氏だ。

隼斗君の腕にぎゅっと抱きついた。






ただ、盗聴だけはやめさせよう。



そう固く誓って、隼斗君にキスを返した。







束縛の例は友達から提供してもらいました。

作者の乏しい恋愛経験ではちょっとカバーできなかったです。

梨沙ちゃんはかなり特殊な子です。


というかこの話、束縛であってます?(((;°▽°))


読んでくださってありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 彼女がいいと思うならこれでいいと思うけど・・・盗聴だけは・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ